Qimo – Ubuntuベースの軽量・子ども向けOS。知育アプリもインストール済み♪(※でも非推奨)
公式サイト:Qimo 4 Kids | Software For Kids
紹介サイト:子供向けのデスクトップOS『Qimo』 : ライフハッカー[日本版]
以前の記事で紹介した「子ども向け・教育用OS」の一つです。
参考:子ども向け・教育用デスクトップOSまとめ(ただしLinuxに限る)
はじめに:なぜこのOSを非推奨とするのか?
このOSを非推奨とする理由から説明します。
公式サイトからダウンロードできるOSイメージは「qimo-2.0-desktop.iso」が最新版となるのですが、ベースのUbuntuのバージョンが10.10となります(現時点でUbuntuの最新バージョンは14.04)。このバージョンはすでにサポート期間が終了しています(2012年4月まで)。順を追ってアップデートはできます(10.10 → 12.04 → 12.10 → 13.10 ・・・)がはっきり言って手間です。Qimoにプリインストールされている教育・知育アプリは本家Ubuntuでも個別にインストールすることはできますし、そもそもUbuntuから派生したEdubuntuがあるので、敢えてQimoを選ぶ理由はありません。強いて違いを言えばデフォルトで採用しているデスクトップ環境がEdubuntではUnityであることに対して、QimoはXfceだと言うことくらいです。Xfceは軽量ですが、Edubuntuでも後からXfceをインストールすることはできます。
また公式サイトを見てみても、2012年1月以降更新は止まっているようです。
以上を踏まえた上で、以下試用レポートとして記録しておきます。参考程度にご覧ください。
インストール方法(詳細割愛)
◆Download | Qimo 4 Kids
上記サイトからOSイメージ「qimo-2.0-desktop.iso」をダウンロードします。
日本語化されたものがライブCDの部屋のココにあるようですが今回は未検証です。
OSのベースがUbuntuなので基本的にはそれと一緒です。
参考:UbuntuTips/Install/InstallUbuntu – Ubuntu Japanese Wiki
LiveCDではなくUSBメモリを使う場合は以下を参考にして下さい。
参考:Linuxで遊ぼう♪【マルチブート環境構築】 – 例)USBメモリからPuppyとLubuntuをデュアルブートする方法
参考:Puppy Linix と Android-x86 をUSBメモリからデュアルブートする方法
参考:UNetbootin – LinuxのライブCDイメージをUSBメモリから起動する方法
今回はお試しということでVirtualBoxにインストールしています。仮想マシンへのOSのインストール方法は以下を参考に。参考記事ではAndroid-x86をインストールしていますがisoファイルが違うだけです。
参考:PC(仮想マシン)にAndroidをインストールしてKindleも読めるぞ!って話
VirtualBoxから新規仮想マシンを作成します。オペレーティングシステムは「Ubuntu 32bit」としました。仮想マシンのCD/DVDドライブに「qimo-2.0-desktop.iso」を指定し、LiveCDとして起動します。
続いてインストーラーを起動します。上から2番目の「Install Qimo」です。もちろん一番上の「Try Qimo without ~」でLive起動してからでもできます。一度環境を確かめる場合はそちらで。
言語の選択で日本語が選べますが、一部文字化けします(後述)。
Ubuntuのインストールでお馴染みの「ようこそ」画面です。早速文字化けしています。ここから先はUbuntuのインストール方法と同様ですので割愛します。
インストール後のデスクトップ画面が記事冒頭の画面となります。
日本語環境設定
言語サポートの設定
標準でもほぼ日本語化されていますが、設定から「言語サポート」で日本語環境に必要なパッケージやフォントがインストールできます。Ubuntuのカスタマイズと同様なので以下も参考にしてみて下さい。
参考:Lubuntu – インストール直後に行う設定まとめ ~WindowsXPから乗り換えを検討中の方へ~
参考:Ubuntu – 今さら12.04(Precise Pangolin)のインストール・初期設定・環境構築まとめ
参考:Ubuntu 14.04(Trusty Tahr) – 初期設定・インストールしたアプリ他、12.04 との違いなどまとめ
Mozc(Google日本語入力)のインストール
変換能力に優れたMozc(Google日本語入力)をインストールします。デフォルトのIMEがSCIMなのでそれに合わせると「scim-mozc」、iBusにするなら「ibus-mozc」をインストールします。端末(Terminal)から以下のどちらかを入力してインストールして下さい。
sudo apt-get install scim-mozc sudo apt-get install ibus-mozc
「設定」の中にSCIM、もしくはiBusの設定アプリがあるのでそちらで設定、再ログインすれば反映されます(もしくはIMEの再起動)。Mozcの設定もこの中に含まれます。
教育・知育アプリ
標準でFirefoxなど基本的なアプリがインストールされていますが、ここでは教育・知育アプリだけ紹介します。
Childsplay
公式サイト(?):Childsplay
幼児・就学前の子どもが対象と思われる知育ゲーム集です。絵合わせパズル・タイピングソフト・絵や音を使った神経衰弱・ピンポン(エアホッケー風)・ビリヤード・パックマン型英単語習得ゲームなどが収録されています。アプリ起動時にユーザー名を入力して開始します。
一例として・・・
下は「Packid」の画面です。パックマンを操作して、画面左上にある英単語(ここでは「PIG」)のアルファベット順にエサ(?)を食べると正解となります。
GCompris
上述の「Childsplay」よりもうちょっと年齢的に上でしょうか。こちらも教育・知育ゲーム集となります。アプリの公式サイトはこちら。実はWindowsやMac、他Linuxでもインストールすることができるようです。ますますQimoの価値が・・・
◆GCompris Free Educational Software(英語)
このサイトでは日本語表示できませんが、スクリーンショットのページがあったのでこちらをご覧になればどんなゲームがあるか分かると思います。収録数が多くて紹介しきれません・・・
◆Screenshots | GCompris Free Educational Software
後で記事にしようと思いますが、Edubuntuにもこのアプリはインストールされていますね。
Tux Math & Tux Typing
いずれもタイピングゲームです。オススメはシューティングゲーム風の「Tux Math」です。大人でも楽しめます♪
ゲームモード選択画面がいいですね。「計算戦隊訓練学校」とか「特殊訓練開始」とか謎過ぎます。
laby
プログラミング学習ソフト。使い方がよく分かりません・・・
YouTubeで参考になる動画があったので貼っておきます。
GNOME 上海
上海は有名ですが果たして子ども向けと言えるのかどうか・・・ 確かに頭は使いますね。大人も楽しめます♪
Tux Paint
公式サイト:タックスペイント
子ども向けお絵かきソフト。こちらも公式サイトからWin・Mac・他Linux版などをダウンロードできます。なんとiPad版も! ツールも多いので結構描き込めます。スマホ向けの無料お絵かきアプリよりは多機能という印象です。
あとがき
ベースがUbuntuということで比較的導入しやすいのですが、いかんせんバージョンが古いのでセキュリティ面で心配です。現時点で最新バージョンである14.04までアップグレードはできますが、アップグレードする行為自体初心者には敷居が高いかもしれません。
収録されているアプリは優れていると思います。最近ならスマホやタブレットでも知育アプリはありますが、キーボードやマウスの操作を覚えるにはやはりデスクトップが一番です。Ubuntuの使い方に慣れてしまえば他のアプリのインストールも容易いでしょう。お金もかかりませんし。
子供向けOSという考えがなければ、なおさらオススメはしません。このブログでよく取り上げている「低スペックPC(WinXP機など)を軽量Linuxで復活!」目的であれば他に選択肢はいくらでもあります。子供向け・教育用OS(かつ比較的敷居が低い)を意識するならやはりEdubuntuとなりそうです。これについてはまた後日記事にしたいと思います。
※ 余談 ※
一応最新版の14.04までアップグレードしてみました。アップデートマネージャーの設定でLTS(長期サポート)版以外の更新もチェックしておかないと、順を追ってアップグレードできません。いきなり 10.10 → 14.04 にはできないので。PC環境にもよりますが、ここまで1~2時間はかかると思います。どうしても「Qimo」として使いたい方のみ推奨です。ちなみに軽量化カスタマイズとしてデスクトップ環境にLXDEをインストールしています。見た目(外観)を弄るならLXDEの方がやりやすいです。ここではアプリランチャーとして画面左に縦のパネルを追加しています。