子ども向け・教育用デスクトップOSまとめ(ただしLinuxに限る)

公開日:  最終更新日:2014/06/10

子供向け・教育用デスクトップOSを考えてみた_イラスト

経緯

このブログではLinuxやAndroidで古いPCを再活用する記事を書いています。今回もその一環。小学生の息子が「パソコン部」とやらに入ったので、使わなくなったノートPCを再活用しようと考えたわけです。

息子らは普段からスマホやタブレットでゲーム(最近はMinecraftがお気に入り)をやったり動画(YouTube)を見たり、チャレンジタッチも”一応”やっているので「タッチ操作」には慣れているが、やはり先行きマウスやキーボード操作も覚えておいた方がいいだろう。最近では子供向けオンライン学習サイトなんかもあるけれど、Androidでは正常に表示されなかったりタッチ操作ではできないものもある。いくらスマホやタブレットが普及しているからといってデスクトップPCは無くならないだろう。

使わなくなったノートPCというのは以前の記事でも触れたTOSHIBA dynabook EX/55LBL(メーカーサイト)。
参考:キーボードの「S」が効かなくなるわ、ディスプレイは映らなくなるわで、ノートPCをニコイチにしてみた。

ニコイチにした片割れはしばらく外付けモニタとキーボードで使っていたのだけれど、いよいよ内蔵HDDの調子も悪くなりWindowsも起動しなくなったので、仕事用のデスクトップPCを購入しました。
参考:Windows 8.1 の初期設定他、インストールしたソフトなどまとめ [DELL Inspiron 3647]

幸いこのノートPCにはHDMI出力端子があるのでテレビをモニタ代わりに使えます。キーボードも問題ありません。OSにはUSBメモリや外付けHDDにLinuxをインストールすればまだまだ使えます。CD/DVDドライブもあるのでそこからライブ起動してもいいでしょう。
参考:Puppy Linix と Android-x86 をUSBメモリからデュアルブートする方法
参考:Linuxで遊ぼう♪【マルチブート環境構築】 – 例)USBメモリからPuppyとLubuntuをデュアルブートする方法

子供向け・教育用デスクトップOSまとめ

問題は「子ども向け・教育用」としてどのOSを選択するかです。元々そのように開発されたOS(活動団体含む)もありますし、既存OSの見た目をカスタマイズしたり教育アプリを導入するなども考えられます。ここではそのようなOSを備忘録として書いておきます。

Edubuntu

edubuntu_logo
公式サイト:Edubuntu
リリース情報:Edubuntu 14.04 LTS Release Announcement | Edubuntu

このブログでもよく取り上げているUbuntuの派生ディストリビューションです。教育用にカスタマイズされています。大阪府箕面市にて教職員用に導入された事例もあります。

参考:ニュース – 箕面市が中古パソコン500台をLinuxで再生利用へ,サポーター企業を募集:ITpro
参考:39歳の日誌 – 箕面市長 倉田哲郎blog: Linuxで大量の中古PCを再利用にトライ!
参考:箕面市役所Edubuntu日記

中古PCも無駄にならないしシンクライアントを利用しているので、セキュリティやメンテナンスも容易にしているとのこと。素晴らしい。この環境が構築できれば教育現場もだいぶ変わるでしょう。

Edubuntu公式サイトによれば、

Installation on an existing Ubuntu system
Edubuntu provides application bundles that group educational software by grade level. You can install from the Education category in the “Software Center” entry in the Applications menu or installing the following packages using your favorite package manager:

ubuntu-edu-preschool – Preschool (
ubuntu-edu-primary – Primary ( ages 6-12) educational application bundle
ubuntu-edu-secondary – Secondary ( ages 13-18) educational application bundle
ubuntu-edu-tertiary – Tertiary ( university level ) educational application bundle
You can also install all Edubuntu packages, including artwork by installing the edubuntu-desktop package.

▼ Google翻訳 ▼
既存のUbuntuシステムへのインストール
Edubuntuのは、アプリケーションバンドルを提供学年によってそのグループ教育ソフト。あなたは、アプリケーションメニューやお好みのパッケージマネージャを使用して以下のパッケージをインストールする「ソフトウェアセンター」のエントリの教育カテゴリからインストールすることができます。

Ubuntuの-EDU-幼稚園 – 就学前(
Ubuntuの-EDUプライマリ – プライマリ(6-12歳)の教育アプリケーションバンドル
Ubuntuの-EDU-二 – 二次(年齢13-18)の教育アプリケーションバンドル
Ubuntuの-EDU-ターシャリー – 第三紀(大学レベル)の教育アプリケーションバンドル
また、Edubuntuのデスクトップ·パッケージをインストールすることで、アートワークを含め、すべてのEdubuntuのパッケージを、インストールすることができます。

とのことで、子どもの年齢に合わせたアプリケーションを選べるようです。収録されているアプリケーションはこちらから確認できます。
Included Software and Screenshots | Edubuntu

Qimo 4 Kids

Qimo_desktop01
公式サイト:Qimo 4 Kids | Software For Kids
紹介サイト:子供向けのデスクトップOS『Qimo』 : ライフハッカー[日本版]

What is Qimo? | Qimo 4 Kids」より引用します。

Qimo is a desktop operating system designed for kids. Based on the open source Ubuntu Linux desktop, Qimo comes pre-installed with educational games for children aged 3 and up.
Qimo’s interface has been designed to be intuitive and easy to use, providing large icons for all installed games, so that even the youngest users have no trouble selecting the activity they want.

▼ Google翻訳 ▼
Qimoは子供のために設計されたデスクトップオペレーティングシステムです。オープンソースのUbuntu Linuxデスクトップに基づく、Qimoは3、最大歳の子供のための教育ゲームがプリインストールされています。
でも最年少のユーザーが問題なく彼らが望む活動を選択していないようにQimoのインターフェースは、インストールされたすべてのゲームのための大きなアイコンを提供し、直感的で使いやすいように設計されています。

3歳以上を対象にしているようです。ベースがUbuntuなので同様の方法で日本語化もできそう・・・と思ったら既にライブCDの部屋で日本語化されたものがありますね。
ダウンロード:Index of /livecd/qimo

FAQ | Qimo 4 Kids」によれば動作環境のハードウェア要件は、

Qimo needs a minimum of 256MB of memory to run from the CD, or 192MB to install. At least 6 GB of hard drive space is recommended, and a 400MHz or faster CPU.

CDからのライブ起動なら256MBのメモリ、インストールするなら192MBのメモリと6GBのハードデスク容量が必要なようです。

【2014年6月10日追記】
実際にインストールして使ってみました。
参考:Qimo – Ubuntuベースの軽量・子ども向けOS。知育アプリもインストール済み♪(※でも非推奨)

Sugar (on a stick)

Sugar-home
※画像は「Sugar (software) – Wikipedia, the free encyclopedia」より

公式サイト:Sugar Labs
活動団体(NPO):One Laptop per Child
OLPC – Wikipedia

世界中、特に開発途上国の子供たちに革新的な教育理論に基づく学習の手段を提供することを目的として活動しているNPOであるOLPCにより開発されたデスクトップ環境とのこと。元々”XO”と呼ばれるラップトップ・ソフトウェアだったものを専用端末以外で使えるようにしたのが「Sugar on a Stick」ということかな。これはUSBメモリでのライブ起動だけど「Supported systems – Sugar Labs」によればサポートされた既存OS上で使うこともできるらしい。

Getting Started – Sugar Labs」にハードウェア要件が記載されているがちょっと分かりにくい。Fedoraがベースになっているらしいのでそれに準拠しているみたいだけど、Fedora17が求める最低要件がCPUが400MHz以上、メモリが512MB以上・・・だけどFedora19ではCPUが1GHz以上、メモリが1GB以上ですよと。結局SugarはFedora19がベースになっているってことだろうか。

しかしFedoraがベースだとほとんど使ったことがないのでちょっと不安。日本語化についてはこの辺が参考になりそうだ。
参考:Customising XO for Japanese language from the command line/lang-ja – OLPC
参考:SoaS (Sugar on a Stick) Strawberry を日本語で使う方法 – korakuriderの日記
参考:【Sugar on a Stick v1 Strawberry release 日本語入力 ibus-anthy】:Royal Windows:So-net blog

Knosciences

knosciences_logo

公式サイト:knosciences:welcome [KnoSciences – KnoMath]
※画像は公式サイトより

科学教育用KNOPPIXらしいけど日本語の情報がほとんどない・・・(以前はライブCDの部屋にあったっぽい?)

knosciences:faq [KnoSciences – KnoMath]」によれば、基本的にライブCDからの起動を前提としているがインストールすることもできる。最低要件は「Intel互換のCPU(i486以降)、テキストモードのために16MBのRAM、XFCE4とグラフィックスモードのために少なくとも64MB」とのこと。

科学教育に特化しているっぽいので今回の目的とは合わないな。

Skolelinux

skolelinux_logo
The Skolelinux_DebianEdu desktop
※画像は公式サイトより

公式サイト:Home | Skolelinux
ダウンロード:Downloads(公式)
ダウンロード:Skolelinux-Live プロジェクト日本語トップページ – SourceForge.JP(日本語版?)
Wikipedia:Skolelinux – Wikipedia
関連サイト:DebianEdu – Debian Wiki

「教師が高品質のIT教育を生徒に提供できるようにする」ためのOS。「DebianEdu/Introduction – Debian Wiki」によれば元々別のプロジェクトとして開始された「DebianEdu」と「Skolelinux」だが現在は同一プロジェクトらしい。Edubuntuと同様「シンクライアントを導入可能にし、保守性を高め、古いハードウェアを流用することでコストを削減できる」というコンセプト。個人でも使えそうですが、大阪府箕面市の例のように公的機関での使用でも活躍しそうです。

収録されているアプリケーションはこちらから確認できます。
Take a tour

これを見る限りかなり高学年(大学生くらい?)までサポートされているよう。しかしDTM(デスクトップミュージック)ソフトまで用意されているとは驚きです。これは他の教育用OSにはありませんでしたね。

公式サイトにシステム要件の記載が無い(?)ようなので、ベースとなる Debian wheezy を参考に。
3.4. 必要な最低限のハードウェア

ここの「デスクトップあり」で見てみると、メモリは128MB(最小)から512MB(推奨)、ハードディスク容量が5GB。また「デスクトップシステムには最低 Pentium 4, 1GHz をお勧めします」とのことです。

まとめ

まだ試していないのでなんとも言えませんが、お手軽さなら「Qimo」か「Sugar on a stick」、教育用に本格的に使うなら「Edubuntu」か「Skolelinux」となりそうです。いずれにせよ日本語の情報が少ない状況なので苦労しそう。ベースとなるLinuxディストリビューションから探っていくことになりそうです。国産OSが待たれるところ。そろそろそんな動きがあっても良さそうですが。

アプリケーションだけで見れば、上記OSを参考に子どもの年齢に合ったものを別途インストールすれば良さそう。あとは如何に取っ付き易いUIにするか。Ubuntuを子ども向けにカスタマイズしている例がこちら。

子ども用Live USBを作ってみよう(改訂第2版): φ(..)メモメモ

萌ぇぶんちゅ(moebuntu)のカスタマイズを参考に作られているようです。この手順にしたがってUbuntuを弄っても良さそうですね。このブログにも書かれているように、子どもにPCを使わせる上で心配なのがセキュリティや安全なブラウジングですが、それもしっかり対策を取られています。ぜひ参考にしたいですね。

今回の記事で紹介したOSのレビューなどは、また後日記事にしたいと思います。

[milliard]
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