Linuxで遊ぼう♪【マルチブート環境構築】 – 例)USBメモリからPuppyとLubuntuをデュアルブートする方法
タイトルにもある通り、とりあえずここではUSBメモリからPuppyLinux(以下Puppy)とLubuntuをデュアルブートしていますが、さらに他のLinuxを追加インストールしてマルチブートするための環境を構築します。
今回は説明のためにUSBメモリから起動していますが、内蔵HDDでも同じことです。むしろこっちが本来の目的です。
スクリーンショット取得のために仮想マシン(VMware)からUSBメモリで起動させる必要があったのです。
そのへんで購入した安い32GBのUSBメモリーを使っています。
また、ライブ起動用にUSBメモリを使用していますが、PCに光学ドライブがあればLiveCDでも可能です。
OSやソフト、パーティション、ファイル形式など用語解説は他に任せますm(_ _)m
■ Puppy Linux
Puppy Linux – Wikipedia
パピーリナックス 日本語版
パピーリナックス日本語フォーラム
■ Lubuntu
Lubuntu – Wikipedia
lubuntu | lightweight, fast, easier
■ パーティション関連
パーティション – Wikipedia
ファイルシステム – Wikipedia
基本パーティション – 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典
拡張パーティション – 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典
論理パーティション – 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典
僕自身これらの用語をきちんと理解しているわけではありませんが、「あ、こーいうもんなのね」ぐらいでいいでしょう。テレビを見るのにリモコンの仕組みを理解する必要はありません。電源ボタンを押したらテレビが映る。誰がその仕組みを理解しているといえるであろうか。何事もやってみることが大事です。(←屁理屈)
準備1:PuppyのLiveUSBを作成
過去記事でやり方は書いてあるので詳細は省きます。
Puppylinux | mogi2fruitsどっとねっと
ざっと流れを説明すると以下の様になります。
- Puppyのイメージファイル(.iso)を入手
- UNetbootinでLiveUSBの作成(過去記事参照)
- USBメモリからPuppyを起動
- マルチブート用のUSBメモリ(内蔵HDD)にPuppyをインストール
今回は「WAN-CO Precise-571JP」を使わせていただきました。ファイル名は「wan-co-571jp-20140201.iso」です。
コチラで詳しく説明されています。
◆ぱぴ〜ふ〜ど – Puppy Linux のエサ、あります。
カンタンに説明すると、ただでさえ軽量なPuppyから最低限のアプリ以外を削り、さらに軽量化されたものです。ブラウザすら入っていませんので「パッケージマネージャ」からインストールするか、予めPETやSFSファイルを用意しておいた方が無難です。
準備2:マルチブート用にパーティションを分割(USBメモリ・内蔵HDD)
LiveUSBで起動したPuppyでデュアルブート用のUSBメモリ(あるいは内蔵HDD)のパーティションを分割していきます。
プリインストールされているGPartedを使います。使い方はコチラが詳しいですね。
◆「GParted」の使い方 – パソコントラブルと自己解決
先頭の第一パーティションはデータ保存用にNTFSで作成します。後でPuppyからGRUB(ブートローダー)をインストールするのでブートフラグ(/boot)を付けておきます。
この状態は第一パーティションにWindowsがある場合とほぼ同じになりますね。
ここでは約2GBをSwapに割り当てました。「Swap領域は実メモリと同等か2倍程度」と言われていますがあくまでも目安です。最近のLinuxなら無くても起動はできます。またPuppyの場合はSwapファイルを作ることもできます。ただ気持ちの問題も含めSwapがあった方が安心です。
第三パーティションは他のLinux用に拡張パーティションとしました。
ここで拡張パーティションを作った理由は、基本パーティションは4つまでしか作れないからです。データ領域・Swap領域で既に2つ、後にメインOSとなるPuppyをインストールすると、残りは1つしかありません。Puppy以外に2つ以上Linuxをインストールするならば論理パーティションにする必要があります。
※基本パーティションにしかインストールできないLinuxもあります。
全体としてはこのような感じになりました。拡張パーティションの中に論理パーティション(容量約5GB・ファイル形式ext4)を1つ作成しました。後でここにPuppyをインストールします。
さらに追加でインストールするLinux用に論理パーティションを作っても良いですが、大抵はインストール作業の中でもできます。
準備3:メインOS(Puppy)のインストール
ここではメインOSとしてPuppyを選択しました。低スペックPCでもサクサク動くのも利点ではありますが、もう一つの理由として「Grub4Dos」がプリインストールされている点が挙げられます。
マルチブート環境を作るためには、新しいOSをインストールするたびにブートローダーの設定をしなければなりません。例えばこんな感じ。
◆Puppy Linux – 内蔵ハードディスクにインストール後のGRUB2の設定方法
この記事ではGRUB2を使っていますが、Grub4Dosなら面倒な設定無しに即変更・反映させることができます。
LiveUSBで起動したPuppyから、対象のパーティションにPuppyをインストールします。インストールは「Frugal Installer」から行います。
上の画像ではPCにインストール済みのPuppyからUSBメモリにインストールしています。既に内蔵HDDが分割してあるのでsda1・sda3・sda5となっています。USBメモリはsdb1・sdb5となっています。上で作成したインストール用のパーティションはsda5です。名称がどうなっているかはファイラーかGpartedで確認できます。
後でもやりますが、ここでGrub4DosからGRUBをインストールするとこの様になります。
PCやUSBメモリにインストールされている既存OSを自動で認識してくれます。起動させたくないものがあればタイトルを削除して下さい。
他のOSをインストールした後で再度Puppyを起動し、Grub4Dosを使えばカンタンにマルチブートすることができます。
ここまででLinuxで遊ぶための環境は完成です。
次は例としてLubuntuをインストールしてみます。
例)Lubuntuをインストールしてマルチブート環境を作る
作業のながれとしては次のようになります。Puppyのときとほぼ同じです。
- Lubuntuのイメージファイルの入手
- UNetbootinでLiveUSBの作成(過去記事参照)
- USBメモリからLubuntuを起動
- マルチブート用のUSBメモリ(内蔵HDD)にLubuntuをインストール
- PuppyのGrub4DosでGRUBを編集する
今回使用したLubuntuは「lubuntu-13.10-desktop-i386.iso」です。公式サイトからダウンロードして下さい。
LubuntuのLiveUSBを作成し起動。起動後にマルチブート用のUSBメモリを挿します(内蔵HDDの場合は作業不要)。対象のパーティションにLubuntuをインストールします。
住んでいる地域やキーボードの選択、ユーザー名やパスワードを設定し、途中の「インストールの種類」で「それ以外」を選択します。
「空き領域」を選択。サイズやファイル形式を選び、マウントポイントをルート(/)にします。
画面下の方にブートローダー(GRUB2)のインストール先を選ぶ箇所があります。前述の通りブートローダーは先頭パーティションにインストールしたGRUBに任せるため、ここではLubuntuのパーティションとしました。このパーティションはブートフラグが無いため、実際にはGRUB2は起動しません。OS(あるいはLubuntuでも他のバージョン)によってはブートローダーをインストールしない選択もできます。
※Ubuntuって「拡張」からできた気がするのですが・・・
最終的にこうなりました。最後に画面下の「インストール」をクリックすればインストールが始まります。
インストール完了後、PCを再起動します。元のGRUBが起動します。
ここではまだLubuntuの項目がありません。
Puppy起動後、Grub4Dosから再度GRUBの編集を行います。このように編集しました。
PuppyとLubuntuが選択できるようになりました。
他に追加したいLinuxがあれば同様のことを繰り返すだけです。
以上でLinuxで遊ぶためのマルチブート環境の構築は終了です。
お疲れ様でしたm(_ _)m