elementary OS – 軽い!キレイ!日本語OK! な Ubuntu ベースの軽量Linux
公式サイト:Home | elementary OS
OSの特徴はタイトルの通りです。このブログでも度々取り上げている軽量Linuxの一つですね。WindowsXP他、低スペックPCの再活用などに活躍してくれそうですね♪
現時点でのバージョンは0.2(Luna)でUbuntu12.04がベースとなっているようです。次期バージョン(Freya)ではUbuntu14.04がベースとのこと。
ブラウザー、メーラー、テキスト・エディター、動画・画像・音楽再生など基本的なアプリは揃っているので、欲を言わなければこれだけでも使えます。
システム要件
公式サイトの「Technical Specifications」からシステム要件を引用します。
Minimum System Requirements
- 1 GHz x86 processor
- 512MB of system memory (RAM)
- 5GB of disk space
- Graphics card and display capable of at least 1024×768
- CD/DVD drive or ability to boot to a USB drive
Users may be able to install Luna on devices that do not meet these requirements, but the experience is likely to suffer.
System Recommendations
- 1 GHz x86 processor
- 1GB of system memory (RAM)
- 15 GB of disk space
- Graphics card and display capable of at least 1024×768
- 3D compositing
- CD/DVD Drive or ability to boot to a USB drive
- Internet access
推奨要件でもCPU1GHz、メモリ1GBならWindowsXP機でも十分動いてくれそうです。
ダウンロード
公式サイトトップページにある「Download」から。うっすら「$10.00」と書かれているのが気になるかもしれませんが無料でダウンロードできます。
無料でダウンロードするなら、次の画面左側の「Payment – Amount」の欄を「0」にしましょう(もちろん寄付もできます)。右側の「Download – Processor」はPCの環境に合わせて、下の「Direct」か「Torrent」からOSのイメージファイルをダウンロードします。今回試したものはファイル名が「elementaryos-stable-i386.20130810.iso」となっていました。
インストール
大まかな流れは以下の通り。LiveUSBメモリでもLiveCDからでもインストールできます。
- UnetbootinでLiveUSBを作る(過去記事参照)
- USBメモリからPCを起動
- PC(やUSBメモリなど)にインストール
インストーラーはUbuntu他、Debian系のものと同じです。
参考:UbuntuTips/Install/InstallUbuntu – Ubuntu Japanese Wiki
PC起動時のブート画面で「install ~ 」を選ぶか、ライブ起動してからインストーラーを起動して下さい。はじめに「日本語」を選べば日本語環境でインストールすることができます。
Windowsど既存OSとのデュアルブート環境構築については過去記事でも取り上げていますので、よろしければ参考にして下さい。
参考:Linuxで遊ぼう♪【マルチブート環境構築】 – 例)USBメモリからPuppyとLubuntuをデュアルブートする方法
参考:Puppy Linix と Android-x86 をUSBメモリからデュアルブートする方法
参考:低スペックPCの再活用にAndroidどうでしょう?【その2:マルチブート環境構築編】
初期設定・日本語環境など
左上の「アプリケーション」からインストールされているアプリを起動させることができます。有線・無線LANへの接続や音量調整、ログアウトやシャットダウンなどは右上の通知領域から。画面下中央にドックランチャーがあり、ここで登録されているアプリを起動できます。
言語サポート
起動後しばらくすると上の画面のようなアップデート情報が表示されます。「このアクションをすぐに実行する」をクリックするか、「System Setting → 言語サポート」から日本語環境に必要なフォントなどがインストールできます。以下のものがインストールされます。
- poppler-data
- fonts-takao-mincho
- ibus-anthy
- fonts-ipafont-mincho
- wbritish
- fonts-takao-gothic
デフォルトのインプットメソッドであるiBusに日本語入力システムのAnthyが使えるようになります。
Mozc(Google日本語入力)
Anthyより変換機能が優秀なMozc(Google日本語入力)を導入します。ターミナルを起動し以下のコマンドで。
sudo apt-get install ibus-mozc
パスワードを求められたらインストール時に設定したパスワードを入力。以下コマンドからインストールする場合も同様です。インストール後は画面上通知領域にある「キーボードアイコンを 右クリック → 再起動」 でiBusを再起動します(もしくは一度ログアウトしたりPCを再起動でも良い)。文字入力の設定は同様に「キーボードアイコンを 右クリック → 設定」から行います。この設定は「System Setting」の中にはありません。アプリケーションから起動するなら「システムツール → キーボード・インプットメソッド」になります。もしくは「iBus」かも・・・
Mozcを優先的に使用するなら上の画像のように、Mozcが一番上に来るように並び替えます。またMozcを選択した状態から「設定」で細かな入力方法などが変更できます。Mozcしか使用しないのであればAnthyは「削除」しても大丈夫です。
ドックへのアプリ登録・解除
登録するにはまず登録したいアプリを起動します。上の画像では「Files」を起動しています。起動中のアプリアイコンがドックに表示されるので、そのアイコンを「右クリック → Keep in Dock」をクリックするとチェックが入り、これで登録することができます。
逆にドックから解除したい場合、解除したいアプリアイコンを「右クリック → Keep in Dock」をクリックすると今度はチェックが外れ、表示が消えます。
規定のアプリの設定(デフォルトアプリ)
「System Settings → Defaults」からブラウザやメーラー、テキストエディタなどにどのアプリを使用するか設定できます。
自動起動するアプリの設定
「System Settings → 自動起動するアプリケーション」から。アプリ側の設定で自動で登録されるものもあります。上の画像では「Synapse」(後述)がそうです。登録するには「追加」から。コマンドを入力するか実行ファイルを指定することで登録できます。
壁紙・ドック外観・Hot Cornersの設定
「System Settings → Desktop」から設定できます。「Hot Corners」は画面の四隅(左上・右上・左下・右下)にカーソルを持っていったときの挙動を設定できます。起動中のアプリを表示させたり、最小化したり、カスタムで特定のアプリを起動することもできます。
キーボード・ショートカットの設定
「System Settings → Keyboad」から設定できます。アイコンで表示されているものはSuperKey(Windowsキー)やAltキーなどです。
インストールしておきたいアプリ
アプリのインストールは基本的には「ソフトウェアセンター」から行いますが、PCのスペックが低いと重く感じます。以前のUbuntuで採用されていた「Synaptic パッケージマネージャ」が軽くて使いやすいです。コマンドでのインストールは以下の通り。
sudo apt-get install synaptic
またネット上で配布されているdebファイルをインストールする際には「Gdebi パッケージインストーラー」が便利です。
sudo apt-get install gdebi
gnome-system-monitor(システムモニター)
elementary OS にはタスクマネージャやリソースモニタといったアプリがありません(知らないだけかも・・?)。なのでUbuntuでも標準で用意されている「システムモニター」をインストールします。
sudo apt-get install gnome-system-monitor
Synapse
キーボード・ショートカット(デフォルトでは「Ctrl + スペース」)で呼び出し、テキストを入力することでアプリの起動やファイルの検索などができます。上の画像はアプリ起動後に「c h r」と入力したところ。
ClipIt
sudo apt-get install clipit
PCManFM(ファイルマネージャ)
軽量ファイラー。標準のファイラーより軽い。
sudo apt-get install pcmanfm
Chromeブラウザ
ダウンロード(公式):Chrome ブラウザ
Chrome も Chromium もコマンドや「ソフトウェアセンター」などからインストールできるんだけど、度々強制終了してしまう(ウチの環境だけか?)ので今回は公式サイトのDebファイルからインストール。LinuxでアクセスすればLinux用のファイルのダウンロードリンクが表示されます。
Ubuntu Tweak
ダウンロード(公式):Ubuntu Tweak – Let’s rock with Ubuntu
Ubuntuカスタマイズツール。システム概要確認、アプリのインストールや削除、キャッシュなど不要ファイルの削除などができます。
その他
あんまりアプリを欲張り過ぎるとせっかくの軽量OSが重くなる気がするのでこのへんで・・・
他にもOfficeアプリなら「LibreOffice」、画像編集なら「GIMP」などお勧めアプリはあります。
あとがき
過去にも Puppy Linux や linuxBean など軽量Linuxは取り上げてきましたが、さらに「見た目」にもこだわったOSは初めてだと思います(もちろんカスタマイズ次第で見た目は変更できるけど)。このOSはしばしば「Mac」と比較されるようですが、Macユーザーなら違和感無く使えるのかもしれませんね。Windowsユーザーならたまには気分を変えるのも良いかもしれません。
デフォルトのアプリは必要最低限に絞られているので「PCでできることなら何でもしたい」って方には物足りないとは思いますが、このOSの使い方はむしろ個人使用における Chromebook 的な使い方の方が合っていると思います。システム要件的にも似たり寄ったりですし。「何でもできるPC」を求めるのではなく、セカンドPCとしてネットメインに使うなど用途を絞った使い方なら十分ではないかと感じました。