linuxBean – XP代替OSの本命か!? UbuntuベースでLubuntuより軽い! Windowsアプリも動かせる(…かも)

公開日:  最終更新日:2014/09/16

linuxBean_logo
ダウンロード:linuxBean (リナックスビーン) プロジェクト日本語トップページ – SourceForge.JP
作者サイト:舞台袖

OSの概要を引用します。

linuxBeanは、「軽くて速くて即使える」ことを目標に据えた、ubuntu派生のLinuxディストリビューションです。調整しなくても日本語が使え、すぐにネットに繋がり、欲しいソフトが簡単が探せる、Linux初心者が古いPCを再生させるための切り札を目指しています。
(※パソコン初心者の方は敷居の低いLubuntuやPuppy Linuxをご利用下さい)

特徴

  • LXDEを採用し、美麗なルックスと初心者向けのGUI操作を両立。
  • 自称軽量のlubuntuに比べ、より質実剛健に快適動作を追求。
  • Ecolinuxとは違い、HDD使用量の削減を目指していません。
  • Bodhi Linuxとは違い、派手な視覚効果を排除しています。
  • コマンド不要の設定用アプリケーションを豊富に用意。
  • Wine標準搭載で、Windows用のアプリケーションもインストール可能。
  • ドライバーの自動検索を数クリックで実行できます。
  • Windows用無線LANドライバーを流用可能。よりネットに繋げ易く。
  • 不慮のトラブルでも大丈夫。レスキュー用コマンドを大量に用意。
  • 常駐プロセスを削減し、メモリー256MB(14.04は384MB)の古いPCでも問題無く動作。
  • iBus+Mozcではなく、uim+Anthyを採用。軽快に日本語入力が可能。
  • 重くて挙動の怪しいPulseAudioを排除、ALSA一本に絞っています。
  • 軽いパッケージ管理ソフト、GDebi,Synapticを搭載しています。
  • 本家ubuntuで見限られたフロッピーの読み込みが簡単に行えます。
  • 650MBのCD-RサイズISOに、一通りのソフトを収録。LiveCDとしても有用。
  • GRUB画面や起動プロセスを隠蔽しないので、不具合が直ぐ判ります。
  • ubuntuから派生したことで、Debian以上に豊富なパッケージ数を実現。
  • (12.04)非PAEカーネルを採用し、古いCPUでも動作しやすくなっています。
  • (14.04)PentiumM等のPAE可にも関わらず不可と申告するCPUでも動作します。

いや、LubuntuPuppy Linuxより敷居は低いと思いますが…

Ubuntu12.04をベースとしたlinuxBean12.04と、最新版Ubuntu14.04をベースとしたLinuxBean14.04があります。それぞれのスペック要件だけ以下に引用します。

システム要件
オペレーティングシステム: OSディストリビューション
【12.04 推奨環境】
ディスクの空き:8GB 以上
CPU:i386 800MHz 以上
メモリ:256MB 以上

【14.04 推奨環境】
ディスクの空き:10GB 以上
CPU:i386 1.1GHz 以上
メモリ:384MB 以上

説明にある通りこのOSはベースとして汎用性の高いUbuntuを採用しつつ、デスクトップ環境にLXDEを採用していたり、バックグラウンドで起動する余計なサービスを省略して軽量化を実現しています。使用した感じではPuppyより導入の敷居も低そうですし、勝るとも劣らない”軽さ”を持っているように思えます。標準のブラウザにOperaを採用するなど、プリインストールされているアプリも”軽さ”を重視した作りになっています。アプリを何も起動していない素の状態で使用メモリは100MB代。Chromeブラウザを起動するとさすがに300~500MBほどにはなりますが、環境に合わせてアプリを選択すれば低スペックPCでも大丈夫だと思います。

WindowsXP機など低スペックPCの代替OSとして使いやすいUbuntuに流れてくる方も多いと思いますが、本家Ubuntuでは重くて快適に使うには厳しいかもしれません。求められるスペックはCPUは700MHz、RAMは512MB、ハードディスクは5GB以上となっていますが、これは最低限動作できるという目安です(デスクトップエディションの場合)。
参考:Installation/SystemRequirements – Community Help Wiki

Ubuntuを採用するメリットとしては、操作性に加え、ハードウェア認識率の高さ、情報量の多さなどになるわけですが、低スペックPCにインストールする場合、結局はデスクトップ環境の変更や、アプリの取捨選択、未使用のサービスを停止するなど軽量化を施すことになるわけです。

その点linuxBeanはUbuntuのメリットを活かしつつ上述の軽量化カスタマイズは既に施されている状態なので手間がありません。お好みのアプリなどあれば追加するだけです。強いてデメリットを挙げれば個人で作成されているOSなのでlinuxBeanとしてのアップデートは”やる気次第”であることでしょうか。しかしベースのUbuntu14.04は現時点で最新の長期サポート(LTS)版なのでセキュリティ面での問題は無さそうです。

今回はこのlinuxBeanのインストールから設定方法までをまとめてみました。以下参考になれば幸いです。

イメージファイルの入手方法

sourceforge-jp-projects-linuxbean-releases02
ダウンロード – linuxBean (リナックスビーン) – SourceForge.JP

ダウンロードサイトの中ほどにある「リリースファイル一覧」から。ベースのUbuntuが12.04のものと14.04のものがあります。スペック要件を見て選択しましょう。今回は14.04を選択しました。ファイル名は「bean1404-140424.iso」です。

LiveCD(USB)の作成

ダウンロードしたイメージファイルをImgBurnなどのライティングソフトでCDに書き込むか、UNetbootinでUSBメモリに書き込みます(過去記事参照)。

このCDまたはUSBメモリからPCを起動します。PCによって異なりますが、BIOS/UEFIの初期画面が表示されているうちに[F2]や[F8][F10][F12]などのファンクション・キーを押していると、ブート・デバイスを選択できます。

linuxBean_LiveCD_boot01
ブートローダーの画面です。↑↓で項目を移動、Enterで決定です。画面下部に説明が書いてあるのは親切ですね。ライブCDとして起動する場合は一番上の「Normal Live boot」です。起動しない場合は説明に沿って2番目以降のオプションで試してみましょう。

インストール方法

linuxBean_LiveCD_desktop01
デスクトップ画面です。まずはこのライブ起動の状態でPC環境に合うか試してみましょう。OSのインストールはデスクトップ上にある「linuxBean 14.04 のインストール」から。

linuxBean_install02
Ubuntuのインストール方法と一緒です。Windowsなどの既存OSがあれば自動的に検出されるので、デュアル(マルチ)ブートにもできますし、このインストーラーからパーティションの変更も行えます。Gpartedがインストールされているので事前にパーティションを分けておくのも良いでしょう。下記の参考サイトをご覧ください。


【参考サイト(自サイト含む)】
Ubuntu – 今さら12.04(Precise Pangolin)のインストール・初期設定・環境構築まとめ | mogi2fruitsどっとねっと
Linuxで遊ぼう♪【マルチブート環境構築】 – 例)USBメモリからPuppyとLubuntuをデュアルブートする方法 | mogi2fruitsどっとねっと
UbuntuTips/Install/InstallUbuntuPrecise – Ubuntu Japanese Wiki
「GParted」の使い方 – パソコントラブルと自己解決


インストール後にPCを再起動したブート画面。一番上の「Ubuntu」で起動します(なんで「linuxBean」にしなかったんだろ)。

linuxBean_install_boot01

この画面ではHDDにフルインストールしているのでWindowsなど他のOSがありません。OSのインストール時に既存OSとデュアル(マルチ)ブートするよう設定していればその項目も出ていると思います(「Windows7」など)。linuxBeanにはブートローダーを編集する「Grub Customizer」がプリインストールされているので後からでも編集できます。


【参考サイト(自サイト含む)】
低スペックPCの再活用にAndroidどうでしょう?【その2:マルチブート環境構築編】 | mogi2fruitsどっとねっと
Puppy Linux – 内蔵ハードディスクにインストール後のGRUB2の設定方法 | mogi2fruitsどっとねっと
Ubuntu Grub Customizer その1 – GRUB2の設定をカスタマイズするアプリの紹介・パーティション構成とブートメニューについて – Ubuntu kledgeb


インストール時に「自動ログイン」を選択していなければ、「ユーザー」と「パスワード」を入力。デスクトップ画面はこんな感じ。

linuxBean_installed_desktop01

画面左のパネルにはアプリケーションのショートカット集。左下の「豆」をクリックすると「メニュー」が開きます。その他デスクトップには「ドキュメント」「ゴミ箱」などのフォルダや簡易設定アプリのショートカットが並びます。

初期設定・カスタマイズ方法

ベースがUbuntuなのでほぼ同様です。検索しましょう(手抜き)。
Ubuntu カスタマイズ – Google 検索

ただlinuxBeanの良いトコロは冒頭で引用した特徴にある「コマンド不要の設定用アプリケーションを豊富に用意」しているトコロです。ターミナル(端末)からコマンドを入力しなくてもほとんどの設定は事足ります。デスクトップにあるアイコンか、メニュー → 設定 から各種設定を選択。主だったものを紹介します。

ランチャの追加と関連付け

linuxBean_ƒ‰ƒ“ƒランチャの追加と関連付け01
各ファイルをどのアプリケーションで開くかの設定です。mimeapps.listを編集すれば良いのかな?(未検証) 「ランチャのサンプル」を開くとアプリのショートカットの作り方の説明があります。

自動で起動するアプリの追加

linuxBean_自動で起動するアプリの追加01
ログインと同時に起動するアプリを追加することができます。上述の「ランチャのサンプル」にある説明に沿って作成したショートカットをここに入れます。

デスクトップセッションの設定

linuxBean_デスクトップセッションの設定01
「高度なオプション」はイジらない方が無難です。「自動スタートするアプリケーション」は上述の「自動で起動するアプリの追加」と似ていますが、ここで選択するのは主にバックグラウンドで動いているサービスです。必要に応じて設定しましょう。

linuxBean 設定ウィザード

linuxBean_設定ウィザード01
これは秀逸ですね。Ubuntuのカスタマイズで色々やりたいことがコレ一つでほとんどできます。

「説明」を読めば一目瞭然ですが主だったトコロで言うと「Flash他各種コーデック」「Mozc(Google日本語入力のオープンソース版)」「プリンタドライバ」「LibreOffice(Microsoft Office互換)と日本語フォント」「Bluetooth設定」「Chorme・Firefoxヴラウザ」「画像編集ソフト」の導入でしょうか。

もちろん「Synapticソフトウェアセンター」を使うなりターミナルからコマンド打つなりすれば自前で導入できますが、はっきり言って手間です。作者様の人柄が表れているのでしょう。素敵過ぎます。

linuxBean Wine簡単インストール

linuxBean_Wine簡単インストール
これまた素晴らしい。一応説明するとWineとは「Linux上でWindowsアプリケーションを動作させる」アプリケーションです。普段Windowsで使い慣れたアプリがLinuxに無いとき、コレで起動できる可能性があります(起動しないものもあります)。

上の画面で説明にある通り、Windowsの実行ファイル(.exe)をドラッグ&ドロップすればインストール完了です。

linuxBean_太鼓さん次郎01

太鼓さん次郎」を動かしてみました。(これがどんなソフトかは名前で察して下さい・・・)

Windowsアプリのバージョンや、Wineそのもののバージョンによっても起動したりしなかったりするので過信は禁物です。普段使っているWindowsアプリでもLinux版が公開されている場合がありますので、その場合は素直にそちらを使いましょう。大抵ダウンロードサイトにLinuxからアクセスすればLinux版の案内が出てきます。

あとがき

linuxBeanのインストール・設定方法は以上となります。お疲れ様でしたm(_ _)m

Ubuntuベースで汎用性もあり、Linuxの中でも使い方は優しい方だと思います。冒頭の「特徴」にある通り、”軽さ” と “使いやすさ” を両立しているトコロは素晴らしいです。軽量Linux(関連記事)についてはこのブログでも色々取り上げていますが、どうしてもこの2つはトレードオフの関係になりがちです。結局は好みやPC環境に合わせることになるわけですが、このOSは非常にバランスが良いと感じます。WindowsXPから移行する選択肢としては有力候補と言えそうですね。

【2014年9月16日追記】
“見た目”に拘るならコチラもお勧めです♪ 同じUbuntuベースで軽量。Mac風のお洒落な外観ですよ♪
elementary OS – 軽い!キレイ!日本語OK! な Ubuntu ベースの軽量Linux

[milliard]
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