Remix OS for PC (2.0 Beta)がハードディスクインストールに対応したので早速いろんなPCで試してみたよ
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過去記事①:Remix OS For PC を内蔵HDDにインストールしてGRUB2からデュアル(マルチ)ブートする方法 Windowsや他Linuxとも共存可能!
過去記事②:Remix OS For PC をVirtualBoxにインストールしてGRUBから”Resident Mode”で起動する方法(ついでにPuppyLinuxとデュアルブートする)
「RemixOS for PC」がBeta版になっていたので改めてインストール方法などまとめておきます。今回はLinux系インストールが困難な32bit・UEFIのPCにもチャレンジしてみました。
検証したPC環境
今回インストールしたPCは以下の3機種。
【32bit・Legacy BIOSブート】
機種名:ACER/エイサー Aspire One 533
OS:Windows10-32bit (他Linux/GRUB2)
CPU:Atom N455 (1.66GHz)
Memory:2GB(増強 ※メーカー保証対象外)
Strage:160GB
【64bit・Legacy BIOSブート】
機種名:Gateway NV59C
OS:Windows10-64bit (他Linux/GRUB)
CPU:Intel Core i3-350M (2.27GHz Dual)
Memory:8GB DDR3
Strage:320GB
【32bit・UEFIブート】
機種名:EveryPad Pro (Dell Venue 8 Pro 5830)
OS:Windows10-32bit
CPU:インテルR Atom. プロセッサー Z3775D
Memory:1-ch 64ビット、DDR3L 1333MTs、2GB
Strage:64GB(eMMC)
準備:インストールツールのダウンロード
公式サイトの中ほどにダウンロードリンクがあるのでここからダウンロードします。64bit版は直接ダウンロードができますが、Torrentファイルをダウンロードする場合には別途「BitTorrentクライアントソフト」(使い方は割愛)が必要となります。
参考:BitTorrent – Wikipedia
参考:BitTorrent クライアント
ダウンロードしたファイルは、現時点で64bit版が「Remix_OS_for_PC_64_B2016030106.zip」、32bit版が「release_Remix_OS_for_PC_32-bit_Beta_Version_Package.zip」となっています。
インストールから起動まで
ダウンロードしたZIPファイルを解凍した中身です(64bit版)。64bit版を解凍すると「How to Launch Remix OS for PC.txt」「Remix_OS_for_PC_64_B2016030106.iso」「remixos-installation-tool-B2016030102.exe」の3つのファイルがあります。32bit版を解凍すると「__MACOSX」「Remix OS for PC 32-bit Beta Version Package」の2つのフォルダがあります。「Remix OS for PC 32-bit Beta Version Package」フォルダを開くと「How to Launch Remix OS for PC.txt」「Remix OS for PC Beta 32-bit.iso」「Remix OS Installation Tool.exe」の3つのファイルがあります。ISOファイルがRimixOSのイメージファイルで、EXEファイルはインストールの実行ファイルとなります。
※「__MACOSX」はMac用なのかもしれませんが持ってないので未検証です。
EXEファイルを実行するとインストーラーが起動します。画面下部の「ISO File」にはインストールするISOファイルを指定します。最下部の「タイプ」はインストール先の選択です。(内蔵)ハードディスクまたはUSBメモリなど外部ストレージを選択します。次の「ドライブ」でインストール先のパーティションを選択します。画面下部の[OK]でインストール作業を開始します。
通常WindowsがインストールされているCドライブを選択しても、既存のWindowsが消去されるわけではありません。必要なフォルダや構成ファイルをコピーしているだけです。後からアンインストールすることもできます(後述)。他のパーティションでも同様です。
別のパーティションにインストールする場合は、ファイルシステムはNTFSの方がいいと思います。RemixOS起動時のストレージ容量(sdcardとして認識される)は8GBですが、これはWindowsから見た時「data.img」という単一ファイルに格納されています。例えばFAT32だと一ファイル4GBまでしか扱えないので、この場合ストレージ容量は4GBになってしまうと思われます(未検証)。EXT形式にもインストールできますが(後述)、これはWindowsからは認識できないため、このツールでインストール先に指定できません。
インストールが終了したらPCを再起動します。
起動するOSの選択画面になりますので、RemixOSをクリック、または↑↓キーで選択して[Enter]を押せばRemixOSが起動します。ブートローダーをGRUBやGRUB2で管理している場合は一度「Windows」を選択して下さい。Windows起動前に上の画面になります。
インストール後の設定・日本語化・Google Playストアのインストールなど
詳しくは過去記事①を参照して下さい。
初回起動時はデータ領域の作成で時間がかかりますが、2回目以降は早くなります。
起動直後こそ日本語は選択できませんが「Setting → Language & input」で日本語が選択できます。
Playストアのインストールについては公式サイトのダウンロードリンクの下にある「Most frequently asked questions → Where is Google Play Store? How do I install it?」に書かれています。RemixOSのブラウザからこのページに行き、「here」のリンク先から「GMSActivator.apk」をダウンロードします。予め「設定 → セキュリティ → 提供元不明のアプリ」のチェックをしておくと、インストールすることができます。インストール後のアプリ名は「Google Services Installer」となります。
起動したら画面中央の「INSTALL GOOGLE SERVICES」をクリックすれば関連アプリをインストールしてくれます。再起動後はPlayストアを使えるようになります。初回起動時にGoogleアカウントのサインインを済ませましょう。
「Google 日本語入力」などインストールすれば日本語入力ができるようになります。キーボードを日本語配列にするには「Google 日本語入力」をインストールしていれば設定できますし、「日本語106/109キーボードレイアウト」をインストールすることでも可能です。
アンインストール
「設定 → システム → アプリと機能」または「コントロールパネル → プログラムと機能 → プログラムのアンインストールまたは変更」からアンインストールできます。アンインストール後はブートローダーも元に戻り、OS選択画面が無くなります。
アンインストールしてもCドライブ直下に「efi」「isolinux」「RemixOS」のフォルダが残っています。「RemixOS」フォルダ内には「data.img」が残っているので、バックアップしておけば再インストール時に同じ環境で起動することができます。必要が無ければこれらは削除してしまっても問題ありません。
RemixOSをEXTパーティションにインストールする方法
公式サイトのインストールツールはWindows用なので、EXTパーテションは(基本的に)認識してくれません。従って次のような手順を踏むことになります。インストール作業自体は必要なファイルをフォルダごとコピーするだけです。
1.Windowsで一度RemixOSをインストールする(Cドライブなど)
2.インストール時に展開されたフォルダやファイルを、Linuxからインストール先パーティションにコピーする
3.GRUBまたはGRUB2からRemixOSを起動できるように編集・設定する
4.Windowsから元のRemixOSをアンインストール(ブートローダーの修復・データの削除)
Windowsのブートローダーを修復・修正するだけであれば「EasyBCD」の様なフリーソフトもあります。
GRUBやGRUB2で直接RemixOSを起動する方法
GRUBやGRUB2でブート管理をしている場合、「Windowsを選択 → RemixOSを選択」で起動するのは煩わしいので、直接起動できるようにします。筆者の環境では次のようになりました。
・GRUBから起動する記述例(Acer Aspire One 533)
# RemixOS 2.0 Beta title Resident mode - All your data and apps are saved uuid FCC61938C618F51C find --set-root /RemixOS/kernel kernel /RemixOS/kernel root=/dev/ram0 androidboot.hardware=remix_x86 androidboot.selinux=permissive quiet SRC=RemixOS/ DATA= CREATE_DATA_IMG=1 initrd /RemixOS/initrd.img boot
・GRUB2から起動する記述例(Gateway NV59C)
menuentry "RemixOS(on /dev/sda7)"{ set root='(hd0,7)' search --no-floppy --fs-uuid --set=root 08b53bf0-5c92-443f-83bd-9ddde59850a8 linux /RemixOS/kernel root=/RemixOS/kernel root=/dev/ram0 androidboot.hardware=remix_x86_64 androidboot.selinux=permissive quiet SRC=RemixOS/ DATA= CREATE_DATA_IMG=1 initrd /RemixOS/initrd.img }
Acer(32bit/Legacy)の方はPuppyLinuxから直接「menu.lst」を編集、Gateway(64bit/Legacy)の方はManjaroから「Grub Customizer」を使って編集しました。パーテイションやUUID番号は各自の環境に合わせて下さい。
32bit/UEFI環境のWindowsタブレットにRemixOSをインストールする方法
結論から言ってしまえば起動こそできたものの、非常に使い勝手が悪かったです。Windowsから「DuOS」起動した方が断然良いですね。以下は参考までに。
この環境では32bit版(Legacyのみ対応)のRemixOSは起動できません。64bit版(UEFI対応)を使います。
32bit/UEFI環境に64bit版Linuxのインストールと言うと「bootia32.efi」の出番かと思いましたが、結果的には必要ありませんでした。
公式サイトのツールでインストールした場合、インストール → ブート まではできましたが画面が真っ暗になり先に進みません。
試しに「Android-x86 Installer UEFI Version」でRemixOSをインストールして起動オプションを変更したところ、この問題を回避することができました。
ダウンロード:[WinApp][v2.4-Beta][+RemixOS] Android-x86 In… | Android Development and Hacking
このツールはWindows上からAndroid-x86をインストールするツールです。予めインストール先のパーティションをNTFSで作成しておきましょう。CドライブにインストールするとWindowsが削除されてしまいますので注意して下さい。
「Android Image」に64bit版RemixOSのISOファイルを指定。「Target Drive」にDドライブに指定。「Data Size」はRemixOSのデータサイズが8GBなので合わせました。最後に「Install」でインストール作業が開始されます。再起動し、OS選択の画面で「Android OS」を選択します。
GRUBのOS選択画面になります。通常であれば一番上の「RemixOS-x86」で起動するはずですが、やはり画面が真っ暗になってしまいます。
3番目の「[GPU]RemixOS-x86 nomodest」または4番目の「[GPU]RemixOS-x86 xforcevesa nomodest」を選択すると、無事RemixOSを起動できました。
問題点
起動はできたのですが問題点があります。あくまでEveryPad Proの場合ですが。
問題点①:画面の解像度がおかしい
EveryPad Pro の解像度は「1,280 × 800」なのですがRemixOSを起動すると「800 × 600」を縦に伸ばしたような表示になります。と思えば「1,200 × 800」でほぼ正常に表示されることもあります。異常の時の方が多いですね。
問題点②:各種センサーの異常
WiFiとイーサネットは正常に機能しているようですが、他は駄目です。画面が回転しない、GPSは衛生を掴まない、SIMの認識ができない…etc センサー自体は認識しているようですが・・・ SIMはそもそも設定が無い。
個人的にはAndroidアプリでナビを使おうと思っていたので、これでは使いようがありません。
問題点③:もっさり感
ハードウェアとの相性もあるでしょうし、スペックの問題もあるのかもしれません。グラフィック関連かも。Ubuntuの時もそうでしたが64bitのOSを動かすには酷です。
問題点④:ストレージの圧迫
今回の方法でRemixOSをインストールするためにはパーティションを分けなければいけません。ただでさえ容量の少ないタブレットで、これではWindowsを使うのにも支障が出そうです。
以上の理由からおすすめはできません。大変な思いをしてまでインストールする価値は無いでしょう。
32bit/Legacy環境の使い勝手
前回の記事では32bit/Legacy環境にインストールできなかったため断念しましたが、正式対応になっただけあって特に問題も無く使えます。低スペックのためか多少のもっさり感はあります。初めからRoot環境なのでRoot専用アプリを使ってシステムをチューニングすればいくらかは改善が期待できます。弄れるトコロ、弄れないトコロはありますが。
古いPCの再生が目的であればAndroid-x86をインストールする方法もありますが、アップデートはありませんしバージョン毎にインストールする必要があります。その点RemixOSであればOSのアップデートに対応しているので煩わしいインストール作業は必要ありません(まだアップデートしたこと無いけど)。RemixOSは初めからデスクトップやノートPCで使うことを前提にしている分、操作性にも優れています。右クリックが使えるのは何気に便利です。
筆者の環境で唯一の問題は「スクリーンショット」が撮れなかったことぐらいでしょうか。Android-x86の時もそうだったので、ハードウェアとの相性が悪いのかもせれません。
古いPCの再利用に一つ選択肢が増えたことは有り難いことだと思います。
あとがき
今回のBeta版でWindows上でも気軽に試せるようになったので興味がある方はぜひ。
この記事も書き終えたので、EveryPad Pro は元のパーティションに戻します・・・