Windows10 で古いPCが蘇る!? OS無し、回復ドライブ無し、リカバリーディスク無しの状態から、無料でクリーンインストールしてライセンス認証させる方法 [Acer Aspire One 533 Windows7Starter]
今回使用したPCはこちら。
Model:Acer AspireOne 533
OS:Windows7Starter 32bit
CPU:Intel(R) Atom(TM) CPU N455 (1.66GHz DualCore(?), 512KB cache)
Memory:2GB DDR3
Graphics: Intel(R) Graphics Media Accelerator 3150
Storage:160GB HDD
Display:1024×600
このブログの「軽量Linux」記事で大活躍しているPCです(主に検証用として)。プリインストールのWindows7Starterは削除してあり、回復ドライブもリカバリーディスクもありません。戻す気もさらさら無かったので・・・
しかし試しにWindows10をクリーンインストール(ライセンス認証無し)してみたところ、多少もっさり感はあるものの、どうやらまともに使える様子。Win7StarterはWin10のアップグレード対象なので、無料期間中にライセンス認証を済ませてしまおうと考えたのが今回の話です。
Linuxでも大抵のことはできますけど、やはりWindowsにしかできないこともありますしね♪
ちなみにクリーンインストールにする理由は、
・メーカー製の余計なアプリが無い
・アップグレードより容量が少ない(10GB以下)
の2点です。特に今回の場合元のWin7Starterは削除した後なので気兼ね無く試せました。ドライバーの対応など不安ならアップグレードの方が無難です。
無料の条件
無料でWindows10をクリーンインストールしてライセンス認証を行うには以下の条件があります。
・Windows10アップグレードの無料期間であること(2015年7月29日から1年間)
・Windows10アップグレード対象のエディションがインストールされていること
・Windows10にアップグレード後ライセンス認証されていること
この条件を満たしていれば、無料でクリーンインストール、およびライセンス認証ができます。
先にアップグレードする理由は、Win10のライセンス認証はデバイス(PC)に紐付けされているためです。逆に言えば一度でもライセンス認証されていれば、そのPCはライセンス認証込みでいつでもWin10をインストールすることができます。
アップグレード対象のエディションは以下のようになります。
※Windows 10 FAQ – マイクロソフト より画像転載。
またシステム条件は以下の通りです。
※Windows 10 の仕様とシステム要件 – マイクロソフト より画像転載。
アップグレード対象のWindowsエディションがインストールされていない場合の対処
今回の話は「OS無し・回復ドライブ無し・リカバリーディスク無し」が前提です。ここからどうにかしてWindows10をインストールしライセンス認証させなければなりません。
方法1:Windows10のインストールメディア&ライセンスを購入する(有料)
Microsoft Store だとこちら。
・Windows 10 Home: アップグレードまたは購入 – Microsoft Store 日本
・Windows 10 Pro: アップグレードまたは購入 – Microsoft Store 日本
Amazonなどその他はこちら。
有料ですが正攻法です。購入前に一度クリーンインストールしてみて正常に機能するかどうか確認した方がいいですね。試すだけなら無料です。いつまで使えるかは未検証ですが。
参考:今すぐ! Windows 10のダウンロードとインストール | Think IT(シンクイット)
参考:121ware.com > サービス&サポート > Windows 10 サポート > クリーンインストール手順
アップグレード対象エディションのインストールメディア&ライセンスを購入する(有料)
新品だとWin10と金額に大差ありませんが、中古なら安く入手できます。ただ中古だとライセンスが不安です。まっとうな業者だと良いのですが・・・
アップグレード対象エディションのインストール用イメージファイル(ISO)を入手する(Microsoft公式)
Microsoft公式:Software Download
上記公式サイトからイメージファイル(ISO)が入手できます。「メディア作成ツール」でインストールメディア(DVD/USBメモリ)を作成できます。
・・・が、購入済みのプロダクトキーが必要となります。さらに言えば、プリインストールPCに付いているプロダクトキーは受け付けてくれません。当たり前ですが、不正に入手したプロダクトキーの使用は違法です。
既に購入済みで「プロダクトキーは分かるんだけどメディアを紛失しちゃった」場合しか使えません。
アップグレード対象エディションのインストール用イメージファイル(ISO)を入手する(Microsoft非推奨)
「Windows7 iso download(Google 検索)」みたいな感じで自力で探しましょう。ただし自己責任です。ウィルスに感染する可能性などは否定できませんね。
ネットでの情報を見ているとこの方法は、
・Microsoftとしては非推奨
・ダウンロード自体は合法(プロダクトキーが無ければ無意味だから?)
・不正入手したプロダクトキーの使用は違法
・個人PC用にインストールメディアを作成することは合法
のようです。詳しくはMicrosoftにお問い合わせ下さい。
プリインストールPCでリカバリメディアを紛失した場合なら、メーカーに問い合わせるのが正攻法です。
ISOファイルからインストールメディアが作成できたら、インストール時に正規のプロダクトキーを入力すれば問題ありません。プロダクトキーはPC購入時に付属品として入っているか、PCの裏面やバッテリーを外したところにシールが貼ってあると思います。
補足:Windows7Starterのインストールメディアはどう入手する?
今回使用しているPCは元々Windows7Starterがプリインストールされていたのですが、改めてインストールしたくてもWindows7Starter(だけ)のインストールメディアは存在しません。これを解決する方法は、
方法1:Windows7Starter用のインストールメディア(ISOファイル)をネットで探す
方法2:Windows7のインストールメディア(ISOファイル)からWindows7Starterのインストールメディアを作成する
となります。どちらにせよ自己責任でお願いします。
方法1だと「Windows_7_Starter_32_Bit.iso」というのがありましたね・・・
方法2なら以下の記事が参考になります。
参考:Windows7 全エディションインストールディスク作成 | コンピュータ研究所
参考:Windows7、全エディションが選択できるディスクの作成 | Jashi’s ROOM – 楽天ブログ
参考:Windows7 Starter クリーンインストール方法 | くまらじゅ
ちなみに今回使用したISOファイルは英語版だったため、以下の画像は英語版も混じっています。
Win7(Starter)・8.1をクリーンインストール → Win10にアップグレードする
Windows10のライセンスを正規に認証させるために、一度アップグレードをしなければなりません(無料で済ませるならば)。Windows7Starterでもアップグレードは可能です(上記画像)。
「Windows10 を入手する」アプリからシステム要件を満たしているか確認できます。このPCのスペックでも大丈夫なようです。
ちなみにWin7Starterをクリーンインストールして最新までアップグレードするためには200以上の更新が必要でした。今回は「Windows10 を入手する」アイコンの確認のために最新までアップグレードしましたが、直接アップグレードも可能かもしれません。未検証ですが少なくともSP1(Service Pack1)なら大丈夫かと思います。
今回は予約せずツールから直接アップグレードしました。ツールは↓から入手して下さい。
Windows 10
ツールを起動したところ(英語版ですが)。はじめにアップグレードを選択して指示に従っていけば大丈夫です。
アップグレードしたWindows10でライセンス認証を確認する
「設定 → 更新とセキュリティ → ライセンス認証」から確認できます。
もしくは「スタートボタン右クリック → システム」でも確認できますね。英語版なので「Windows is activated」となっています。ちなみにここで表示されている「プロダクトID」はプロダクトキーでは無いようです。
ライセンスはデバイス(PC)に紐付けされているのであまり意味が無いように思いますが、念のためプロダクトキーを確認しておきましょう。「Windows Product Key Viewer」などのツールが便利です。アップグレード前のプロダクトキーとは異なります。
参考:Tech TIPS:インストール済みのWindows OSのプロダクトキーを調べる – @IT
参考:RJL Software – Software – Utility – Windows Product Key Viewer
余談ですが、いくつかの機種で確認したところ、アップグレードしたWin10のプロダクトキーはどのエディションからアップグレードしたかによって共通するみたいです。やっぱ意味ないんじゃないかなぁ・・・
Windows10 をクリーンインストールする
「Windows 10 のダウンロード」で入手したツールでインストールメディアを作成します。PCをDVDかUSBメモリから起動します。内蔵ハードディスクから起動してしまう場合は、PC起動時に[F2][F5][F12]などを連打して下さい(メーカーにより異なります)。起動するデバイスを直接指定するか、もしくはBIOSの設定に入るのでそこで起動順序を変更して下さい。
作成したインストールメディアが32bit、64bit両対応(この場合はUSBメモリ)であればはじめにインストールするバージョンを選択します。
途中でプロダクトキーの入力が求められますが「スキップ」で問題ありません。上記で確認したプロダクトキーを入力してもいいです。いずれにせよインストール後に自動でライセンス認証されます。
今回はクリーンインストールするので「カスタム」を選択します。
インストールする場所の設定。ここでは元々あったパーティションを全て削除しています。この場合パーティションは2つに別れ、先頭パーティションは起動ドライブ(MBR:マスターブートレコード – Wikipedia)となり、2番目が所謂「Cドライブ」となります。
あとは自動でインストール作業が進んでいくのですが途中で何回か再起動されます。ここで注意点が一つ。
再起動時にインストールメディア(DVD/USBメモリ)から起動しないようにする
BIOSの設定でDVDやUSBメモリの起動が先になっている場合は起動順序を変更しておくか、再起動のタイミングでメディアを抜いてしまいましょう。でないと延々インストールのはじめから繰り返すことになります。
ライセンス認証されているか確認
Win10起動直後はまだ認証されていませんが、しばらくすれば勝手にされます。
デバイスマネージャーの確認・ドライバーの更新
まずは各種デバイスが正常に機能しているかどうか確認しましょう。
スタートを右クリック → デバイスマネージャー
ビックリマーク(?)が付いているデバイスはドライバーの更新をしましょう。上の画像では「ビデオコントローラー」が認識されていません。
ドライバーのプロパティから「ドライバーの更新」をしたところです。正常に更新できればこのように認識されます。ここで更新できなければメーカーサイトからWin10対応のドライバーを入手する必要があります。
このPCでは他にもタッチパッドのドライバーを更新する必要がありました。
インストール後の設定など
Windows7 → 10(64bit) アップグレード後の初期設定・やったことまとめ ~デスクトップ・ノートPC編 [Gateway Nv59C] ~
よろしければ過去記事をご覧下さいm(__)m
低スペックPCにおけるWindows10の使い勝手など
このスペックだと若干のもっさり感は否めません・・・が、少なくともwindows7Starterよりは断然マシです! てかWin7Starterなんてよく世に出せたもんだなって感じです。 いやWin10の汎用性こそ褒めるべきか・・・
Windows10の優位性を言えば、1つは解像度の制限が緩和されたことです。このPCは以前Win8Preview(試用)版を、強制的に変更した解像度でインストールしましたが、とても耐えられるものではありませんでした。
もう1つは「ストアアプリ」が使えることです。Office買わなくてもモバイル版が無料で使えるので閲覧やちょっとした編集ならできます。たまに原因不明で開けないのもありますが、その場合でも「LibreOffice」を使えばいいですし(↓)。
ホーム | LibreOffice – オフィススイートのルネサンス
Linuxと比べた時の優位点はやはり「Windowsであること」です。
「何言ってんだ?」と思われるかもしれませんが、アプリにせよWEBサービスにせよWindowsじゃないとダメな場合があるのです。例えば「dTV|未体験のドキドキに出会える、動画・映像配信サービス」なんかがそうですね。他にも「Kindle for PC」とか。まぁこれは「Wine」でも動かせましたけど。Macには対応しているのになぁ・・・
Kindle for PC が日本語に対応したので早速 Linux(Ubuntu) で動かしてみた
Linuxでも軽量のモノを選べばWin10よりも操作性は快適です。ただWindowsが使えることの「安心感」はあった方がいいですねって話。
ネット閲覧に関してはもうLinuxだろうがWindowsだろうが関係ないですね。リッチなコンテンツが盛りだくさんだと、どのOSの、どのブラウザを使おうが、遅いモンは遅いです。例えばこのPCでYoutubeを見た場合、画質は480pが限界です。スムーズに見るなら360pかな? PCの性能、OS、ブラウザの組み合わせ次第で変わってくると思います。
このPCで言えば、Win10だと「Microsoft Edge」が快適に使えました。YouTubeの再生は一番スムーズです。次いで「Opera(Turbo使用時)」ですね。これは多分サーバー側で処理を負担しているからかもしれません。高画質(HD)でも紙芝居程度には見ることができます。「Chrome」での高画質再生は画面が乱れまくって壊滅的です。
軽量ブラウザで言えば、「Midori」や「QupZilla」はLinux上ならサクサクでしたが、Windows版はまともに動きませんでした。「応答なし」が頻繁に起こります。
以上を踏まえると「Win10は持ってると安心、でも使い方によってOSを切り替える」のが自分なりの結論です。
どうせ使えないと思っているPCが再利用できるならそれに越したことはありません。試してみる価値はあると思います。