Joli OS – Chromium OS がダメならコレ使えばいいじゃん! ~インストールから設定方法までまとめ~
Chromium OS をインストールした話をコチラの記事で書きました。
Chromebook を買ったらお世話になりそうな拡張機能・アプリ・その他Tipsをまとめました。 | mogi2fruitsどっとねっと
結果としては使えなかったわけですが・・・
本来このOSの優れている点は、起動速度が早い、GoogleのWEBサービスとの連携がシームレスに行える、システムのメンテナンスがほぼ必要無い、ローカルにデータを保存しなくても良い…etcなどが挙げられると思います。
カンタンに言えば「PCで起動するのはブラウザだけで良くって、ほとんどの作業はWEB上でできるでしょ?他のものいらないじゃん」って話。
逆にデメリットは、常にネットに接続していないと何もできない、やっぱりネイティブアプリも欲しいよねって話になります。
で、そのイイトコ取りをしたOS・WEBサービスが「Joli OS」であり「Jolicloud(Jolidrive)」になるわけです。
◆Jolicloud – Jolidrive(公式サイト)
◆Joli OS(公式サイト)
Jolicloudがどういったモノかは以下の記事を参考にして下さい。古い記事もありますが雰囲気はつかめます。
◆ネットブック用OS界の新星、『Jolicloud』が登場 : ライフハッカー[日本版](2009年12月)
◆ウェブOSの決定版「Jolicloud」の機能まとめ : ライフハッカー[日本版](2011年6月)
◆Jolicloud 2のベータ版が利用可能に! ― 自分だけのカスタム・ホームページにストレージやSNS、Webコンテンツをひとまとめに管理できるサービス。新たにFeedlyも新たに統合! | LIFE GOES TO A PARTY(2013年12月)
つまりJolicloudにログインするだけで、SNSやクラウドストレージ、WEBアプリなどの各種WEBサービスがすぐ使えるようになるわけです。
で、そのJolicloudの使用に特化したOSが「Joli OS」になるわけですね。
また、ベースのOSがUbuntu なのでネイティブアプリが使えるのはもちろん、Ubuntuのメリットである汎用性(ハード・ソフト両面)も持っていると。
というわけで今回はこの「Joli OS」を試して見ようと思います。
作業の流れは以下のようになります。
- Jolicloudの登録・設定
- Joli OS のインストール(複数の方法有り)
- バージョンの相違点・設定方法・使い方
Jolicloudの登録・設定
まずは公式サイトからアカウントの登録を行います。
Google+やFacebookでのソーシャルログインとメールアドレスによるログインが選べます。
登録完了後ログインするとこんな感じ。これは「ホーム」から「What’s New」の画面。
この画面は既に各種SNSやWEB・クラウドサービスと連携済みの場合ですが、SNSのニュースフィードやタイムラインと言ったところですね。ここではFacebookの投稿やYoutubeの登録チャンネルの更新情報が出ています。画面左上の「Home」アイコンからいつでもこの画面に戻れます。
各種サービスとの連携は画面左側にある「CONTENT」の中から。無ければ上の方にある「Add More Services」から該当のサービスを探しましょう。
「Home」の隣にある「Drive」アイコンをクリックすると連携したクラウドストレージが表示されます。こちらはGoogleドライブを表示したところ。
Googleドライブ内の画像を表示したところ。
画面右上の「View on Google Drive」からブラウザで直接Googleドライブに飛びます。
他のクラウドストレージやSNSの場合も一緒で、基本はJoliDriveの中で表示、右上の「View on ◯◯」でサービス元へ飛びます。
各種クラウドサービスとの連携は「Add More Services」から追加します。
今度は「App Launcher」を見てみます。
アプリと言ってもWEBアプリなので、要はブックマークと同じです。
左下の鍵の形をした「+」マークが「App Center」の入り口で、ここからアプリをインストールします。
※ちなみに右下の写真のようなアイコンから壁紙を変更できます。
カテゴリ毎に分けられているのでそこから探すか、上にある検索窓から欲しいアプリを探します。
また、右上にある「Create New App」からアプリ名とURLを指定して、アプリを作成することができます。
試しに「sounds39」を作ってみましょう。
最後に「Create」して「App Launcher」のデスクトップ画面に戻ります。
右下に新しく追加されています。ちなみにこれらのアイコンの順番は変えられないようです。
ここでは「ホーム」や「App Center」のアイコン類が割りとスッキリしていますが、デフォルトでは日本では馴染みのないサービスが多く表示されています。連携していないサービスアイコンの非表示は、画面右上にある人型アイコンの「Setting」から設定できます。
プロフィール、アカウント、お知らせの設定もこちらから設定できます。
以上でJolicloudの登録・設定は終了です。
Joli OSの使い方も基本的には一緒です。違いはOSの設定やネイティブアプリになります。次はOSをインストールしていきます。
Joli OS のインストール
これにはいくつか方法があります。
- Windowsインストーラーを使ってデュアルブート
- Joli OS(公式)のイメージファイルから手動でインストール
- 日本語化されたJoli OS(非公式)のイメージファイルから手動でインストール
- Ubuntu 12.04をインストール後、Joli OSのデスクトップ環境を導入
付け加えるなら「UbuntuをWubiでWindowsからインストールして、Joli OSのデスクトップ環境を導入」という手もありますが、やることは同じなので省略します。Wubiについてはこちらを参考にして下さい。
◆UbuntuTips/Install/WubiGuide – Ubuntu Japanese Wiki
先に言ってしまうと、自分なりに色々カスタマイズして使い勝手を向上させたいのであれば、最後の「Ubuntu 12.04 ~」の方法がベストです。以下その理由も含め、それぞれのインストール方法を解説します。
Windowsインストーラーを使ってデュアルブート
手持ちの環境で試してみたいのならば、この方法が最も簡単・安全です。気に入らなければWindowsからアンインストールできます。ダウンロードはこちらから。
◆Jolicloud – Joli OS Download
この記事を書いている時点で最新版は「Joli OS 1.2」です。
左下の「Joli OS 1.2 Windows Installer」をダウンロードします。ファイル名は「Joli-OS-Installer-1.2.exe」となります。
実行すると解凍が始まり、それが終わるとインストールが始まります。
PCへのログイン名とパスワードの設定をします。Jolicloudのログインとは異なります。同じでも問題ありませんが。
次にJoli OSの容量、インストール先ドライブ、言語の選択をします。「Change」から変更できます。
「Next」でインストールが始まります。数分で終わりました。
「Restart now」でPCの再起動。後にするなら「Restart later」で。再起動するとブート画面でWindowsかJoli OSか選択できるようになります。
※ちなみに元々他のOSとGRUB2などでマルチブートにしている場合は、まずWindowsを選択し、それからWindowsかJoli OSかを選択します。
インストール時に設定したログイン名とパスワードでOSにログインします。
その後Jolicloudにログインするとこの画面。
Jolicloudのデスクトップ画面とほぼ一緒です。お節介に「英語のページを翻訳するか?」いちいち聞いてくるので、右上の「オプション」から「翻訳しない」にするといいでしょう。特に問題はありません。
Joli OS独自の使い方・設定については後述します。
Joli OS(公式)のイメージファイルから手動でインストール
先ほどと同じでこちらからOSのイメージファイルをダウンロードします。
◆Jolicloud – Joli OS Download
今回は右側にある「Just Joli OS」から「Joli OS 1.2 ISO」を選択。ファイル名は「Joli-OS-1.2.1.iso」です。
Joli OSはUbuntuをベースにしているため、インストール方法もUbuntuと同じです。
Ubuntuのインストールについてはこちらを参考にして下さい。
◆Ubuntu – 今さら12.04(Precise Pangolin)のインストール・初期設定・環境構築まとめ
インストール後はWindowsインストーラーの時と同じです。
日本語化されたJoli OS(非公式)のイメージファイルから手動でインストール
いつもお世話になっている「ライブCDの部屋」の「Index of /livecd/jolicloud」から。ファイル名は「Joli-OS-1.2-jp.iso」となります。
インストール方法は上記「Joli OS(公式)のイメージファイルから手動でインストール」同様、Ubuntuと同じ方法でインストールできます。
Ubuntu 12.04をインストール後、Joli OSのデスクトップ環境を導入
Ubuntu12.04のインストールについてはこちらから。先行き必要となる設定・アプリのインストールなども済ませておきましょう。
◆Ubuntu – 今さら12.04(Precise Pangolin)のインストール・初期設定・環境構築まとめ
Joli OSが対応しているUbuntuのバージョンは12.04・12.10・13.04となります。
今回は長期サポート(LTS)版である12.04を使用しています。
デスクトップ環境導入のやり方は公式の動画解説があります。
この動画の紹介文の中で「Ubuntu ソフトウェアセンター」でのリポジトリの導入方法が書かれています。
端末(ターミナル)からコマンドで行う場合は次のようになります。
sudo add-apt-repository ppa:jolicloud-team/ppa && sudo apt-get update sudo apt-get install jolicloud-desktop-environment
リポジトリを追加してSynapticからjolicloud-desktop-environmentをインストールすることもできます。
一旦ログアウトし再度ログイン。セッション選択で「Jolicloud」を選択できるようになります。
バージョンの相違点・設定方法・使い方
次は上で紹介したそれぞれのOSのバージョンの違いや、OS独自の設定方法を解説していきます。
Windowsインストーラー、または公式ISOからインストールした場合
この2つは起動した時点でほぼ同じです。インストール時に日本語を選択していればメニューも部分的にですが日本語表示になってます。日本語入力もできます。文字入力にはAnthyを使っているようです。
ただし初期状態では漢字の入力ができません。これを修正するには、
App Launcher → Local Setting → All Settings → Language Support
から言語パッケージをインストールします。インストール時にパスワードを求められるのでPCログイン時のパスワードを入力します。以後同様です。
言語パッケージをインストールしたらログアウトか再起動することで漢字入力ができるようになります。
再起動の方法は「Ctrl+Alt+Del」かPCの電源ボタンを押します。シャットダウンも同様です。
ログアウトだけする場合はキーボードのメニューボタン(右Ctrlキー付近にあるメモみたいなマークのキー)から。
上記の「Control Center」から他の設定も色々と変えられそうですが、もう一工夫必要です。デフォルトではほとんど何も弄ることができません。「Control Center」にある「Users and Groups」から、自分のアカウントを「Administrator(管理者)」に変更します。
特に設定の変更が必要なければ、この設定は必要ありません。
ネイティブアプリの起動は、App Launcher → Local Apps から。初期状態ではこんな感じ。
ネイティブアプリのインストールはWEBアプリと同様に、App Launcher画面左下の「+」から「App Center」を起動、その中に「Joli OS Native Apps」があるのでそこからインストールします。
数は少ないですがブラウザに「Chromiumブラウザ」「Firefox」、Officeソフトは「OpenOfficeOrg」、動画再生に「VLC」、画像編集の「GIMP」、クラウド⇔ローカルストレージの同期に「DropBox」、メーラーに「Thunderbird」などが使えます。
Ubuntuを使っている方なら同じように「Control Center」にある「Synapticパッケージマネージャ」からアプリなどをインストールできますが、デフォルトでは起動できません。上述のように予めアカウントに管理者権限を付けてから起動しましょう。
しかしリポジトリが限定されているため通常Ubuntuでインストールできていたものができなかったりします。エラーが出たり・・・
端末からコマンドでも同様にエラーが出ます。リポジトリの登録でもエラー。ほとんどカスタマイズすることはできません。
結論としては、一応少ないながらもネイティブアプリは使えるので「Chrome OS + α」ぐらいの気持ちで使う分には良いかもしれません。ローカルファイルも閲覧とちょっとした編集ぐらいなら扱えますし・・・
日本語化されたJoli OS(非公式)をインストールした場合
何と言っても「Mozc(Google日本語入力のオープンソース版)」が標準で使えるところが大きいです。公式OSで採用されているAnthyだと変換がお粗末過ぎるのでこれは助かります!ちなみに公式OSではインストールできませんでした。
頑張ればなんとかなるかもしれませんが、そこまでやるなら後述の方法(Ubuntuをインストールしてから~)が手っ取り早いです。
Mozc以外は基本的に公式OSと一緒です。
Ubuntu 12.04 からデスクトップ環境をインストールした場合
上記でほとんどできなかったことが全てできるようになります。Joli OS以外のセッションでログインし、ローカルで使いたいアプリのインストール、自動起動するアプリ、コーデックやフォントの導入など必要なものは予め設定を済ませておきます。その後ログアウトしてからJolicloudセッションでログインすると・・・
例えばLocalApp・・・Ubuntu標準で使えるアプリは全て使えます。
「Joli OS Native Apps」ではインストールできないアプリも、予めUbuntuでインストールしておくか、Synapticパッケージマネージャからいくらでもインストールできます。
例えば「LibreOffice」 標準のOpenOfficeでは日本語メニューが表示されませんが、これなら安心して使えます。
「Synapse」 これでどこからでもアプリが起動できます。
「indicator-cpufreq」 CPUクロックの省エネ設定や、逆に最高パフォーマンスを引き出せるので低スペックPCでも安心。
「PCManFM(ファイルマネージャ)」 標準ではNautilus(しかも通常起動できない)ですが、これは軽量ファイラーで使いやすいです。
その他「Ubuntu Tweak」でもなんでもインストールできます。
設定を弄るのもカンタンです。
でもここまでやっちゃうとUbuntuでも良いのでは・・・?
結論
Chromium OS(非公式)よりは断然使える!
ただしUbuntuのインストールから必要。
決して軽量OSとは言えないので低スペックPCの再活用に向いているとは言えない。
Jolidriveは便利だが、PuppyLinuxや、せめてLubuntuなどの軽量Linuxからブラウザでアクセスした方が早い。
スペックに余裕があるならば、まずはWindowsインストーラーなどで使用感を試してみよう。既にUbuntu使っている人はデスクトップ環境をインストール。
・・・以上のような結論に至りました。
「いつでもどこでも同じOSの環境を使う」というメリットを活かすのであれば、USBメモリにインストールして持ち運ぶ方が良いかもしれません。
よろしければコチラの記事もご参考までに。
◆Linuxで遊ぼう♪【マルチブート環境構築】 – 例)USBメモリからPuppyとLubuntuをデュアルブートする方法
◆USBメモリから Puppy Linix と Android-x86 をデュアルブートする方法 – WindowsXPから軽量Linuxへの乗り換えを検討中ならこんな使い方はどうでしょう?
ただこういうコンセプトは良いと思います。PCよりもスマホやタブレットなんかでやったら面白いんじゃないでしょうか? キャリアとか端末とか選ばなくていいですしね♪
【2015年3月10日追記】
ChromebookっぽいLinuxが良いのならこんなのもあります。使い勝手は良いですよ♪