書評:論点思考(著:内田和成)
全編に渡り論点思考が如何に大事かを説いた本。
Amazonの内容詳細にも書かれていますが、企業であれば解決すべき問題は多くあり時間も限られた中では、今何に取り組むべきかを選定しなければなりません。ビジネスマンであれば上司からの指示を言われた通りこなしたとしても、十分な評価を得られないかもしれません。それは本来解決すべき問題ではないかもしれないからです。
そもそも論点が間違っていれば、いくら問題解決の努力をしたところで徒労に終わります。「正しい答え」よりも「正しい問い」の方が重要。一番重要な論点を見つけ出す思考法、つまり論点思考を身につけることが重要だということです。
以下に目次(小見出しを除く)を引用します。どんな内容かおおまかに分かると思います。
余談ですがAmazonなどの本の紹介で目次が載っていないことが多いですね。目次も載せてくた方がより興味も湧くと思うんですけどね。
はじめに
第1章:あなたは正しい問いを説いているか
1-1:すべては問題設定に始まる
1-2:問題解決のプロセスにおける論点の役割第2章:論点候補を拾い出す – 戦略思考の出発点
2-1:論点思考の論点
2-2:論点と現象を見極める
2-3:論点は動く第3章:当たり・筋の善し悪しで絞り込む
3-1:当たりをつける
3-2:「筋の善し悪し」を見極める第4章:全体像を確認し、論点を確定する
4-1:プロービング(探針)を行う
4-2:依頼主の真意を探る
4-3:引き出しを参照する
4-4:論点を構造化する第5章:ケースで論点思考の流れをつかむ
第6章:論点思考力を高めるために
6-1:問題意識をもって仕事をする
6-2:視点を変える
6-3:複数の論点を考える
6-4:引き出しを増やす
6-5:論点思考の効用
6-6:論点と仮説の関係おわりに
論点思考の重要性から、論点の見つけ方、論点設定で気をつけなければいけない点、論点思考の高め方について説かれています。内容的にカブる部分もあり「くどくど言われてる感」がありますが、それだけ重要だということでしょう。
論点がしっかり設定できていればその取り組みが無駄になることもないし、効率も良くなるし、効果がはっきり見えるようになれば努力しがいがあったというものです。
何か問題が起きた、もしくは起きていて、それを解決しようとして思いついた方法がホントに最善策なのかどうか疑うことが第一。取り組んでいる最中にも論点がずれてきていないかも確認しつつ取り組まなければなりません。
これらは問題の「解き方」以前の問題で、「解き方」そのものよりも重要だと思います。もちろん平行して向上させていくものではありますが。「解き方」に関しては著者が以前に書かれた「仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法」で説明されているようです(まだ未読ですが)。論点思考と仮説思考はお互いに補完する関係のようですね。
筆者がそうだったこともありコンサルタントとしての事例が多いですが、ビジネスマンはもちろん、普段の生活の場面でも役立ちます。「問題」とは常に起こるものであるし、大なり小なり何かしらは抱えているもので、ゼロにはなりません。それらを解決するとき最も効率が良く効果が高い方法があればそれにこしたことはありません。闇雲に動き出す前に一旦問題そのものについてよく熟考し、最適な論点を設定できれば、その後の行動も円滑に進み、より多くのことに時間を使うことができるようになるでしょう。
面倒くさがり屋にこそ、逆にオススメかもしれませんね。
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