書評:超訳 孫子の兵法 [Kindle版](著:許成準)

公開日: 

「Kindle本 冬のセール」にて552円で購入。今見たら1,105円だった。50%OFFか・・・さすがにセールは安いですね。
1,105円だとしても内容を考えれば安いと思います♪

多くの経営者が愛読しているということで気にはなっていたのだけれど、解説本があり過ぎて何読んだらいいか分からなかった。
ちょうどセール中だったし、何より他の解説本のようにエッセンスだけ抜き出したものではなく、全編訳されているのが良いです。
強いて悪いところを言えば原文が無いところだけど、研究したければ原文だけ買えばいい話。

こういう古典の現代語訳って結局は翻訳者の解釈によって捉え方も変わってくると思うけど、本書は現代のビジネスに例えて解説されているのでイメージしやすい。
確かに「孫子の兵法」をこれから読む人って、意識高いビジネスマンか、古典を研究している人に限られますしね。

「孫子の兵法」は全13篇からなる(諸説有り)。
Amazonの商品ページに目次が掲載されてないので、コチラに記載しておきます。

  • 計篇 – 序論。戦争を決断する以前に考慮すべき事柄について述べる。
  • 作戦篇 – 戦争準備計画について述べる。
  • 謀攻篇 – 実際の戦闘に拠らずして、勝利を収める方法について述べる。
  • 形篇 – 攻撃と守備それぞれの態勢について述べる。
  • 勢篇 – 上述の態勢から生じる軍勢の勢いについて述べる。
  • 虚実篇 – 戦争においていかに主導性を発揮するかについて述べる。
  • 軍争篇 – 敵軍の機先を如何に制するかについて述べる。
  • 九変篇 – 戦局の変化に臨機応変に対応するための9つの手立てについて述べる。
  • 行軍篇 – 軍を進める上での注意事項について述べる。
  • 地形篇 – 地形によって戦術を変更することを説く。
  • 九地篇 – 9種類の地勢について説明し、それに応じた戦術を説く。
  • 火攻篇 – 火攻め戦術について述べる。
  • 用間篇 – 「間」とは間諜を指す。すなわちスパイ。敵情偵察の重要性を説く。

引用:孫子 (書物) – Wikipedia

本書においてもこの順番で解説されています。

なにせ原文は中国春秋時代(紀元前770年~紀元前403年)に書かれたものなので、解釈や順番など諸説あるみたいですが、「孫氏の教えのエッセンスを簡単に覚えておいて、それを日常生活や、人生における重要な意思決定に活かして欲しい」と著者が言う通り、「どうしたら今の自分に活かせるか?」の方が大事です。

僕にとって初めての「孫子の兵法」になるのだけれど、イメージと違ったのは「意外と非好戦的なんだな」ってトコロ。
そもそも「戦わずして勝つ」とか「勝負は始まる前から決している」とか「勝てない戦はしない」などの概念は、無駄に国力を消耗しないためにある。

兵法書というと当然「戦に勝つため」にあるものなので、好戦的な人ほどそれを必要とするイメージだけれど、実は逆なのだ。

好戦的というのは自分、あるいはその周囲にどれだけ被害が出るかなど重要ではない。単に「戦いが好きだから戦う」のだ。
対人関係など日常的な場面で言えば、相手を負かすことで自分が優越感を得るぐらいの理由しかないだろう。

そうではなくて、そもそも「戦う必要がない」あるいは「既に勝っている」状態を作ることこそ重要なのだ。

そのためにはもちろん「策」が必要なわけで、無計画な行動ではそのような状況は作れない。
この兵法書は実際に多くの場面で想定される状況(というかほぼ全て当てはまる)を例にして、その対応策や心構えを教えてくれているのである。

あらためて言うまでもないけれど、「孫子の兵法」は単なる兵法書の枠に留まらない。むしろ哲学書と言ってもいいくらい。

あまりに有名な書物なので、他にもたくさんの解説本があったり、ネット上にも解説サイトがあったりしますが、初めて触れるのなら本書はオススメです♪
まとまりのない小出しのエッセンスだけ読むより、全体を通して孫氏の思想を学び、その上で個々の章を読んだ方がより理解が深まるというものでしょう。

ビジネスはもちろん、日常的な場面においても活躍すること間違いなし!

まぁ、真っ先に役立つのは「孫子の兵法? オレ読んだよ。 ビジネスマンとして当然じゃん?」とドヤ顔できるところかもしれませんが(笑)

[milliard]
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