Windowsタブレット(EveryPad Pro)に入れたmicroSDにUbuntuをインストールしてデュアルブートする試み → 失敗

公開日:  最終更新日:2015/10/16

結果的に失敗しましたが、備忘録として書いておきます。成功したこと、失敗したことをまとめると次の通り。

 

① microSDからOS(ライブ起動含む)の起動 → 失敗
② USBメモリからUbuntu(Studio & Lubuntu)のライブ起動 → 成功(Unityは失敗)
③ microSDへのインストール(OS本体のみ) → 成功
④ 内蔵ストレージへのGRUB2のインストール → 失敗
⑤ ライブ起動時のネットワーク接続 → 失敗

 

なお、今回使用しているPCは「EverPad Pro(Venue 8 Pro 5830 ベース)」となります。関連記事はコチラ(↓)

 

UEFIサポートPCへのLinuxインストール記事はコチラ(↓)

 

以下成功と失敗の要因などまとめていきます。

 

 

【補足】EverPad Pro(Venue 8 Pro 5830)のUEFI設定方法

PCの電源を入れてから、「Dell」のロゴが出る前に「Volume Down」を押し続け、ロゴが出てから離すと下の画像のようなUEFI設定画面(Aptio Setup Utility)になります。

 

EveryPadPro_UEFI設定01

 

タッチ操作&スクリーンキーボードが使えます。USBキーボードを接続した方が操作はしやすいです。この画面からセキュアブートのON/OFFや、ブート項目の追加や削除などが設定できます。

PCの電源を入れてから、「Dell」のロゴが出る前に「Volume Up」を押し続け、ロゴが出てから離すと下の画像のようなブートモード設定画面になります。

 

EveryPadPro_UEFI設定02

 

こちらはタッチ操作不可。Home・VolumeUp・VolumeDownキーで操作します。USBキーボードでの操作は可能です。上述のUEFI設定で、ブート項目を追加している場合はここに表示され、指定してブートさせることができます。「Enter Setup」からUEFI設定画面に行くこともできます。

 

 

【失敗】microSDからOSを起動(ブート)する

そもそもSDカードスロットからのOSの起動はほとんどのPCでサポートされていません。EverPad Proも例外ではありません → 轟沈

例えば、microSD(以下SD)に予めブートローダーごとOSをインストールしておき、PC起動時に内蔵ストレージにあるブートローダーからSDを読みに行き、SD内のブートローダーを起動・・・ということをすればできそうな気はしますが、そこまでする気力はありません(/_;)

なぜならば仮に成功したとしても、現時点で、少なくともUbuntu14.04では、EverPad Proでネットに繋がらないからです(後述)。これでは外出先での用途はかなり限定的なものとなってしまいます。

 

 

32bit・UEFIサポートPCでUSBメモリからUbuntuをライブ起動する方法

Ubuntuのライブ起動用USBメモリの準備

前回の記事と異なるところは、前回は64bitPCで、今回は32bitPCだということです。今回試しているUbuntu14.04(Lubuntuなど他フレーバーも同様?)ではUEFIに対応しているのは64bitのみです(今後のバージョンに期待)。なんとかして64bit版Ubuntuを32bit版UEFIで起動させなくてはなりません。そのためには「bootia32.efi」が必要となります。

参考:Ubuntu – 32bit EFIブートファイルを作成する – Qiita

既にUbuntuを使っている方ならこちら(↑)を参考に自作することができますが、できているものをダウンロードした方が早いです。例えばここから(↓)。自己責任でお願いします。

参考:Ubuntu (or other Linux) on the Asus Transformer Book T100 | John Wells

Ubuntu14.04のライブUSBを作成します(作成方法は割愛)。ファイラーを開いて「EFI → BOOT」と辿ります。「BOOTx64.EFI」と「grubx64.efi」というファイルがあるフォルダです。このフォルダに先ほどの「bootia32.efi」をコピーしておきます。

これで32bit版UEFIで起動できる64bit版UbuntuのライブUSBメモリは完成です。

 

UEFIの設定

UEFIの設定は前回の記事が基本となります。

参考:Windows8.1(UEFIサポートPC)にUbuntuをインストールしてデュアルブートにする方法

高速スタートアップを無効にする」「セキュアブートをOFFにする」「UEFIで外部メディアをブート可能にする」の3つは前回同様です。

加えて今回は「BitLockerの保護を解除」「ブートファイルの指定」を行います。

 

BitLockeの保護を解除する方法

参考:BitLocker の概要
参考:BitLocker でファイルの保護をサポートする – Microsoft Windows ヘルプ
参考:シナリオ 12: BitLocker ドライブ暗号化を無効にする (Windows 7)

 

デフォルトではCドライブがBitLockerで保護されています。保護された状態でセキュアブートをOFFにすると、再起動でこんな画面が出てきます。

 

EvryPadPro_BitLocker_ロック解除01

 

保護されたままだと再起動するたびにこの画面が出てきます。解除するためには、ネットに接続できる別のPCやスマホなどから以下のサイトに行って、回復キーを取得して下さい。中程の「BitLocker 回復キーの取得方法を教えてください。」に取得先リンクがあります。Microsoftアカウントの認証が必要になります。指示に従いましょう。

BitLocker 回復キー: よく寄せられる質問 – Windows ヘルプ

 

ブートファイルの指定方法(bootia32.efi)

予めUSBメモリを挿した状態でUEFI設定画面(Aptio Setup Utility)を起動します。上に並ぶ「Boot」を選択すると下の画面になります。

 

EveryPadPro_UEFI設定_Boot01

 

Fast Boot → [Disabled]」「Secure Boot → [Disabled]」になっていること、また「Boot Option Priorities」にUSBメモリがあるかどうか確認して下さい。ここに出てこなければ認識されていません。①機器として認識されていないか、②起動デバイスとして認識されていないかのどちらかになると思います。①の場合はケーブルの問題かもしれませんし、USBメモリの相性が悪いかもしれません。②の場合は書き込みが正常にできているかどうか確認しましょう。

一番上の「File Browser Add Boot Option」を選択すると「Select Media Driver」が開くのでここから「USBメモリ → EFI → BOOT → bootia32.efi」を指定します。名称は分かりやすい名前でOKです。解説のためここでは「Ubuntu14.04_32efi」とします。

設定をSAVE(F10)して再起動し、ブートモード設定画面に行きます(Volume Up で起動)。すると今度は「UEFI Options」中に先ほどの「Ubuntu14.04_32efi」があるので、これを選択します(↓)。

 

EveryPadPro_ブートモード設定_bootia32efi

 

無事成功すればGRUB2(ブートローダー)の画面になります。

成功すれば・・・ってことですが、僕の場合Ubuntuでは起動できませんでした。画面が真っ暗のまま何も進まないので強制終了しました。で、なぜか Lubuntu14.04 と Ubuntu Studio14.04 では成功しました。成功させるまでにUSBメモリを変えたり、USBアダプタを介したmicroSDカードから起動したりしているので、その相性もあるのかもしれません。参考までに。

 

 

【失敗】ライブ起動したUbuntuからmicroSDにインストールする

正確にはUbuntuではなく Ubuntu Studio です(以下同)。OS本体をインストールすることはできましたが、ブートローダーをインストール出来ませんでした。

 

EveryPadPro_UbuntuStudio_install01

インストーラーを起動。「インストールの種類」は「それ以外」で。インストール先をmicroSD(/dev/mmcblk1)にし、ext4でフォーマット。SWAP領域は無し。ブートローダーは内蔵ストレージ(/dev/mmcblk0)にインストール指定。

で、待つこと1時間ほど。安いUSBメモリのせいかめちゃくちゃ遅いです。そして失敗(↓)

 

EveryPadPro_UbuntuStudio_install_失敗

 

インストーラーもこれ以上進む様子が無いので、仕方なくPCを強制終了しました・・・

 

まとめ・感想

microSDを見てみるとOS自体はインストールされているっぽいので、後からブートローダーだけインストールすればイケそうな気はしますが、すでにやる気は無いです・・・

ライブ起動時にネットワークの設定を弄ってみたのですが、無線LANは認識せず。モバイルネットワークは認識しているっぽいですが、IIJmioのSIMからの接続設定が上手くいきません。USB⇔LAN変換アダプタを使えば接続できるかもしれませんが、そこまでする価値が見いだせませんね・・・

そもそもmicroSDからブートできない以上、内蔵ストレージに空きを作るしかないわけですが、元々少ないストレージを犠牲にしてまでインストールしたくはありません。

もしこの端末にLinuxをインストールするならば、それは無償アップデート無しでWindows10のサポートが終了したときでしょうね。その頃にはメジャーなLinuxも標準でUEFIをサポートしているでしょうし、タブレット端末向けのエディションも登場しているかもしれません。いつになることやら・・・

[milliard]
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