Chromium OS は第3のOSに成り得るか? – インストールから操作・設定方法まとめ

公開日:  最終更新日:2015/10/16

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【2014年11月27日追記】
いざ、Chromebookを買ったときのための記事を書きました。(←多分買わない)

【2014年9月16日追記】
記事内の「イメージファイルの入手」場所についてですが、下で紹介しているもの以外にもありましたので追記します。

Chromium OS Builds

こちらの方が下で紹介している「Chromium OS builds by Hexxeh」よりも更新頻度も高く新しいです。参考記事はコチラ ▼

中古PC活用:Windows XPパソコンにChromium OSをインストールして再利用する~Chromebookを作ってみよう~ (1/2) – @IT

【2015年10月16日追記】
更に素晴らしいカスタムビルドがありました!ヾ(*´∀`*)ノ

以降の記事は当時のままとなりますm(_ _)m


結論から言うと、少なくとも僕の環境では使い物になりませんでした。
ですがひょっとすると「それでも試してみたい!」という方もいらっしゃるかもしれませんし、僕より知識のある方なら上手く使えるかもしれません。
以下、参考になれば幸いですm(_ _)m

最上位機種 Google Chromebook pixel Wi-Fi 32GB モデル 米国版 日本未発売
by カエレバ

「Google Chromebook Pixel」の発売移行あまり話題に挙がっていないChromeOS。この機種の評価もいまいちのようである。
参考サイト → グーグルChromebook Pixelはないわと思うこれだけの理由 : ギズモード・ジャパン

Chromium OS プロジェクトについてはコチラから → Chromium OS – The Chromium Projects
紹介動画はコチラ:What is Google Chrome OS?

大雑把に言えば、

「みんなPCでネットサーフィンしたり買い物したりSNSしたりOfficeファイル開いたりするけど、ほとんどの事はブラウザ上でできるよね? データの保存もクラウド使えばいいし、セキュリティ上も安心じゃん? じゃOSそのものがブラウザだったら話早くない? 余計なモノ入ってないから起動も早いよ?」

ってことです。

確かに外出先でちょっと使うにはこのコンセプトは良いと思います。
OSが軽量なら「古いPCの再利用にも活かせるのではないか?」と思って試してみた次第です。

ここでは「Chrome OS」のオープンソース版である「Chromium OS」のインストール方法から、実際の使用感をレポートしたいと思います。
大まかな流れは次のようになります。

  1. OSのイメージファイルの入手
  2. USBメモリにイメージファイルを書き込む
  3. USBメモリから起動・ログインまで
  4. ハードディスクへのインストール
  5. 起動後の設定・使い方

【使用環境】
①ハードディスクインストール用
ACER/エイサー Aspire One 533 AO533-KK11
画面サイズ:10インチ
CPUタイプ:Atom N455 (1.66GHz)
メモリ容量:2GB(増強 ※メーカー保証対象外)
ディスク容量:160GB
※光学ドライブ無し

②仮想マシンインストール用
Gateway NV59C NV59C-N32C/K
画面サイズ:15.6インチ
CPUタイプ:Core i3 350M(2.26GHz)
メモリ容量:8GB(増強)
ディスク容量:320GB

【必要なソフト】

  • 7zip ・・・ ファイルの解凍に必要。
  • Win32 Disk Imager ・・・ USBメモリにOSイメージを書き込むのに必要。
  • VMware PlayerVirtualBox ・・・ 仮想マシンで試したい場合は必要。
  • ※7zipや仮想マシンの使い方は割愛します。

    イメージファイルの入手

    Chromium OS はオープンソースなので現在様々な形で配布されています。

    Chromium OS builds by Hexxeh
    有名どころです。ネットでの情報多数。Chromium OS 関連で検索するとほとんどこれが出てきます。

    ◆Dell社開発したChromium OS
    今回の環境では起動せず。DellのPCじゃないとダメかもしれません。

    Cr OS Linux
    Chromium OS ライクな Ubuntu です(笑) 本家Ubuntuを使った方が良いでしょう。

    Yet Another Chromium OS
    2011年3月が最新版。Chromium OS と Ubuntu のデュアルブート環境?2011年内しか有効じゃないみたい。

    ・・・ Chromium OS builds by Hexxeh しか選択肢は無いようです。

    Chromium OS builds by Hexxeh01
    Chromium OS builds by Hexxeh02

    サイトからイメージファイルをダウンロードします。ページの中程にダウロードのリンクがあります。最新版は「Build 4028」です。
    ビルド名の右の方に「VMWare」「VirtualBox」「USB」とありますが、仮想PCにインストールするなら「VMWare」か「VirtualBox」を、USBメモリから起動するためには「USB」を選択して下さい。ハードディスクにインストールするにはこのUSBメモリが必要となります。

    USBメモリにイメージファイルを書き込む

    Win32 Disk Imager 使い方
    「Win32 Disk Imager」を使ってOSイメージを書き込みます。手順は①イメージファイルを指定し、②書き込み先のUSBメモリを指定、③「Write」で書き込み開始、最後に書き込み終了後「Exit」でソフトを終了します。

    試したいPCにこのUSBメモリを指し、USBメモリから起動して下さい。

    USBメモリから起動・ログインまで

    試したいPCにこのUSBメモリを指し、USBメモリから起動します。
    ※PCによって異なりますが、BIOS/UEFIの初期画面が表示されているうちに[F2]や[F8][F10][F12]などのファンクション・キーを押していると、ブート・デバイスを選択できます。

    ChomiumOS_Welcome
    起動するとこのような画面になります(画像は仮想マシンのものです)。プルダウンから言語・キーボード・ネットワークを設定して下さい。
    なお、この時点でネットワークに接続できなければ先に進みません。

    今回の環境ではPC(Aspire One 533)の内蔵無線LANは認識されなかったため、USB無線LANアダプター(BUFFALO WLI-UC-GNM)を使用しました。予め指したまま起動すれば認識します。
    様々なLinuxディストリビューションを試す際、この手のUSB無線LANアダプターがあると何かと重宝します。
    PCを無線LANのホットスポットにもできるのも便利です♪

    BUFFALO 無線LAN子機 コンパクトモデル 11n技術・11g/b対応 WLI-UC-GNM
    by カエレバ

    設定を終えたら右下の「Continue」をクリックすると、次にGoogleアカウントの認証画面になります。アカウント名とパスワードを入力。
    ※ゲストとしてログインすることもできます。

    ChomiumOS_アカウント画像
    使用するアカウント画像の設定。
    Google+で設定したプロフィール画像も使うことができます。Googleアカウントでログインしていれば左上の人型アイコン部分に表示されます。

    ChromiumOS_起動直後
    起動直後の画面です。設定・操作方法などは後述します。

    <補足:VMWareでイーサネット接続が選択できない場合の対処>
    ダウンロードしたVMWareイメージ(今回の場合はChromeOS-Vanilla-4028.0.2013_04_20_1810-r706c4144-VMWare.vmx)をテキストエディタで開き、

    ethernet0.virtualDev = "e1000"

    を1行追記してから起動すると選択肢に「イーサネット」が表示されます。
    ※確実ではありません。

    ハードディスクへのインストール

    ※ 注意 ※
    ハードディスクにインストールすると、現在のPC環境はOSも含め全て削除されます!

    USBライブ起動時の設定(後述)はUSBメモリ内に保存されます。
    PC環境を削除したくない場合は、そのままUSBから使用を続けて下さい。

    インストールはターミナルから行います。「Ctrl+Alt+T」で ターミナル画面を開きます。
    ChromiunmOS_install-facepunch
    crosh >の後にコマンドが入力できるので、「install」と入力。パスワードに「facepunch」と入力します。
    ※パスワードなので表示されませんが、正しく入力して「Enter」を押せば大丈夫です。
    次に「ハードディスクを削除しても良いか?」と言われるので「y」を入力し「Enter」でインストールが始まります。
    インストール終了までのログを記載しておきます。

    「Please shutdown, remove the USB device, cross your fingers, and reboot.」と表示されればインストール終了です。

    起動後の設定・使い方

    操作説明

    Chromium OS の操作方法を簡単に紹介します。
    ChomiumOS_右下クリック
    画面右下の時刻が表示されている部分をクリックしたところです。ここから各種設定が行えます。
    隣にある吹き出しアイコンはOSからの通知です。通知の数が表示されます。

    ChromiumOS_アプリ一覧
    画面左下にあるアプリアイコンから各種アプリを起動します。アプリによって表示されるもの、表示されないものがあります。
    アイコンが無いアプリはその右にある「#」のアイコンをクリックすると、一覧が表示されます。

    ChomiumOS_ファイル「ファイル」を起動したところです。
    「ダウンロード」はローカルに保存されたもの、「Googleドライブ」はログインしたアカウントのもの、その他内蔵ハードディスクや外付けハードディスクなども認識するようです。

    キーボードショートカットも使えます。
    参考サイト:覚えておくと便利な『Google Chromebook』と『Google Chrome OS』ショートカットまとめ – ガジェット通信

    日本語入力設定

    「設定 → 言語 → 言語と入力の設定」か「通知バー → 日本語キーボード → 言語と入力方法のカスタマイズ」から設定できます。
    ChromiumOS_言語と入力
    Mozc(Google日本語入力のLinux版)も使えるようです。
    ChromiumOS_Mozc設定

    アプリ・ゲームの追加

    全て「Chrome ウェブストア」からインストールします。もちろんブラウザで起動できるものしかありません。
    ブラウザにインストールすればネット接続が無くても使えるものもあります。
    PCのようにOSにソフトをインストールすることはできません。

    ここがダメだよ Chromium OS

    以下、使用してダメだった点を挙げていきます。

    flashが動かない

    YouTubeが見れません。
    ChomiumOS_youtube
    当然ニコニコ動画も。
    ChomiumOS_ニコニコ動画
    Google Play Musicも動きません。
    ChomiumOS_PlayMusic
    指示に従い、Adobeのダウンロードページへ行くと、
    ChomiumOS_FlashPlayerのバージョン
    最新のモノが入っていると言われます。

    対処方法もあるようですが、今回の環境では改善しませんでした。
    参考サイト:ChromiumOSでFlashとかJavaとかpdfを有効に|那覇レポート

    ローカルファイルの音楽や動画が再生できない

    手持ちの音楽(mp3)や動画(avi、mp4、3gp)の再生を試みましたができませんでした。
    ChomiumOS_MP3再生

    公式にはサポートされているようです。
    参考サイト:サポートされているファイル形式と外部デバイス – Chromebook ヘルプ

    「Chrome リモート デスクトップ」が使えない

    ChomiumOS_リモートデスクトップ
    現在のところ対応していないようです。対応を待ちましょう・・・(アプリのインストールはできます)
    これができるようになれば一段と価値が上がる気がするのですけどね。

    OS自体が不安定

    ChromeBookなど正規品ならば問題無いのかもしれませんが、少なくとも今回の Chromium OS に関して言えば「モタつき」が感じられます。
    「ブラウザ」開いて「ファイル」を開いて・・・とアプリを起動させるとフリーズも起こります。
    また、試しに「ウェブストア」から AngryBirds をインストールしようとしたところ、途中でフリーズしてしまいました。
    ChomiumOS_AngryBirds

    容量の軽いゲームなら大丈夫なようです。Jewelはプレイできました。
    ChomiumOS_jewel

    やっぱりネイティブアプリは欲しい

    あまりワガママを言うとこのOSの存在価値が薄れてしまうのは重々承知していますが・・・ やっぱりネイティブアプリは欲しいですね。
    上記の通りOSの不安定さも手伝ってか、やはりWEBアプリは重く感じます。アップロード・ダウンロードの手間もありますし。
    Googleのサービスに限って言えば、シームレスに行えるので気にするほどではありませんが。
    普段PCを細かくカスタマイズしている人にとっては物足りなさは否めないかもしれません。

    Googleさんは代わりにコレを使えと言っていますが・・・
    参考サイト:代替となるアプリ – Chromebook ヘルプ
    もちろん全てGoogleのサービスです。さすが!(笑)

    あとがき

    始めにも結論は出していますが、現時点でこのOSは " なし " です。メールでもブラウザでもかなりGoogleに依存していますが、それでも敢えてこのOSを選ぶ動機にはなりません。
    元々の目的として「爆速起動で軽量OS」を期待していたのですが、それには正規品を購入する必要がありそうです。それでもPCとしての機能は割り切らなければなりません。

    「爆速起動で軽量OS」ならPuppy LinuxとかwattOSとかありますからそれでChrome立ち上げればいいんじゃないですかね? 上で紹介したCr OS LinuxYet Another Chromium OSもそういうコンセプトみたいだし。

    Chromium OSを自分用にカスタマイズできるとか、秀逸なビルドが登場すればまた遊ぶかもしれません。

    【2014年3月9日追記】
    似たようなコンセプトのOSで面白いものがありました♪

    【2015年3月10日追記】
    さらにこちらはChromebookに激似のUbuntuベースLinux。使用感イイですね♪

    おまけ

    インストールした内蔵ハードディスクをGpartedで見てみるとこんな感じ。
    Gparted-ChromiumOS-HDD
    unknownだらけで何が何やらさっぱり。どうしてこうも複雑なのか。

    「OEM」の中身。空っぽです・・・
    ChromiumOS_OEM

    ROOT-Aの中身。Linuxで見慣れた光景です。
    ChromiumOS_ROOT-A

    H-STATEの中身。独特ですね。
    ChromiumOS_H-STATE

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