Puppy Linux – 軽量Linuxで低スペックPCを再活用
Puppy Linux は数あるLinuxディストリビューションの中でもかなり軽量な部類に入り、低スペックPCでも軽快に動いてくれる。
軽い理由としては、まず容量が小さい事。
ここで紹介する日本語対応の最新版(Precise 5.5.0)でさえ172MBである。過去版はもっと軽かった。
もう一つは全てのプログラムをRAMにコピーして起動するためである。
通常LinuxをライブCDとして使用する場合、CDからデータを読み込むためレスポンスが悪くなってしまう。
Puppy Linux ではRAMから読み込むため高速かつ、一度起動すればCDが不要になるためCD-ROMドライブが使えるというメリットもある。
以下、使用手順の説明。
イメージファイルのダウンロード
こちらのページ上部の『ダウンロード』から。
最新版であればトップページ右側の『リリース』からダウンロードできる。
ここでは Precise-550JP が最新となっているので、これをダウンロード。
ダウンロードファイルしたファイルは precise-550JP.iso 。
ライブUSBの作成
UNetbootinを使ってライブUSBを作成する。
ライブCDを作成する場合は ImgBurn などのライティングソフトを使用すること。
ライブUSBとして起動する
ライブUSBとして作成したUSBメモリを使用するPCに差し起動。
予めPCの起動順序を外付けHDDを優先にすること。
ライブCDを作成した場合は、CD-ROM優先で起動。
記事冒頭の画像が Puppy のデスクトップ画面。
Puppy Linux の動作条件は、CPU: Pentium 166MMX, RAM: 128MB, CDROM: 20倍速以上 となっている。
【2013/12/24 追記】
動作条件についてご指摘いただきました。ありがとうございますm(_ _)m
記事の動作条件はバージョン 4.x 系の記載ですね。5.x は RAM256M 以上、550JP に限っては PAE 必須です。 RT @tomohiro_mogi: Puppy Linux ~軽量Linuxで低スペックPCを再活用~ https://t.co/2YYs9bFqoZ
— Puppy Linux 日本語版 (@puppy_linux_jp) 2013, 12月 24
ここでのPC環境は次の通り。
【PC環境】
使用PC:VAIO VGN-TX72B/B
CPU:CeleronM 1.06GHz
Memory:1.5GB(増設済)
内蔵HDD:故障のため取り外してある。元は80GB。
インストール
標準でインストーラがついていて、内蔵HDDやUSBメモリにインストールすることができる。
ここではライブUSBとして使用しているUSBメモリにインストールしてみる。
Unetbootin で作成したUSBメモリのままだと起動時にブートローダが起動してしまい、起動速度が遅くなるため。
イメージファイル(.iso)が必要となるため、予め別のUSBメモリに保存しておく。
デスクトップにある『インストール』のショートカットから、『ブートフラッシュUSBインストーラを実行』を起動した画面。
左下の『USB-HDD(ハードディスク)推奨選択』を選んだ。
インストール先のUSBメモリはアンマウントしておきます。何も操作していなければマウントされていないはず。
手順に従いインストールした後、『再起動』をすると、USBメモリからブートする。
ネットワークの設定
ここでは無線LANを設定します。
デスクトップショートカットの『接続』、もしくは
メニュー(デスクトップ上で右クリック)→セットアップ→インターネット接続ウィザードで出てきたウィンドウから、『インターネット接続手段』の中の『有線あるいは無線LAN』をクリック→シンプル・ネットワーク・セットアップを選択。
一番下、『Interface』にあるwlan0をクリック。
スキャンされた接続先の中から選択し、『Encryption』からセキュリティタイプを選択。Keyを入力し、一番下の『CONNECT』をクリック。
成功すれば、下の接続アイコンが変化しているのが確認できる。
個人設定の保存
Puppy Linux のOS環境は一つのファイルとして保存される。
メニュー(デスクトップ上で右クリック)→セットアップ→個人保存ファイルの設定を選択。
保存先をsda1(インストールしたUSBメモリ。環境に合わせて変更。)に、ファイル名空白、ファイルシステムext4、ファイルの大きさは標準のまま512MB、スワップファイルの大きさ0MBとなった。
この場合保存ファイル名はprecisesave.4fsとなる。
OS起動中でも自動で、あるいは任意で、またはシャットダウン時に保存してくれる。
以後、起動時にこのデータを読み込むので、各種設定を維持したまま使用することができる。
アプリケーションのインストール
Puppyパッケージマネージャから行います。
メニュー(デスクトップ上で右クリック)→セットアップ→Puppyパッケージマネージャ
今回の Pupppy のバージョンでは Ubuntu レポジトリの使用が可能となっている。
選択の幅が広がりましたが、ライブラリの不足によりインストール出来ない、あるいは正常に起動できないものもあるようだ。
インストールパッケージは .pet というファイル形式である。
ネット上で探すのであれば「(アプリケーション名) PET 」で探すと色々情報が出てくる。
あとがき
起動、作業スピードともに申し分なし。
今回は内蔵HDDの故障のため使えなくなってしまった型遅れのPCであるため、USBメモリからブートする必要があった。
以前は Lubuntu+fluxbox という環境で使用していたのだが、USBメモリからの読み込みのためか、これでもレスポンスが悪かった。
元々このPCはリビングでちょっとしたネットサーフィン用に使用していたため、このような使い方なら Puppy Linux で十分である。
普段は Lubuntu や Windows を使用しているため、できるだけ近い環境にしたいのだが、アプリケーションは豊富とは言えない。
しかしブックマークやデータなどの大半はWEBサービスに依存しているので、ブラウザさえ動けば十分である。
標準のブラウザは SeaMonkey になるのだが、これは Firefox の拡張機能が使えるため、各種サービスとの連携は可能。
ChromeOS のようなブラウザOSとして使うのが合っているのかもしれない。
【2014/1/3追記】
Precise-571JP-RC (s65) をインストールした記事を更新しました。
Puppy Linux – 内蔵ハードディスクにインストール後のGRUB2の設定方法 | mogi2fruitsどっとねっと