今さら Sony Tablet S(rooted) + ポケモンキーボードのカスタマイズまとめ
前回の記事、今さら Sony Tablet S をroot化 – WindowsでAndroid開発環境構築からroot化完了までのまとめ でめでたく(?)root化できた Sony Tablet S ですが、今回は物理キーボードとキーレイアウトの設定、キーボードショートカットの利便性を向上させるためにホーム・アプリの設定を行います。
コチラのサイトを参考にさせていただきましたm(_ _)m
◆塩田紳二のアンドロイドなう (24) Androidキーボードのしくみ | マイナビニュース
◆塩田紳二のアンドロイドなう (25) キーボードをカスタマイズする | マイナビニュース
◆塩田紳二のアンドロイドなう (26) diNovoキーボードを使う | マイナビニュース
◆Androidで外部キーボードのレイアウトをカスタマイズする方法(要rooted) | TeraDas-テラダス
◆Naoログ : [Android][ICONIA] ポケモンキーボード(NTR-034)のkey remap(要root)
物理(ハードウェア)キーボードの接続
接続方法の選択肢は2つ。USBで接続するかBluetoothで接続するかです。
USB接続にELECOMのTK-FCM006BKを、Bluetooth接続にポケモンタイピングDS付属のキーボードを試してみました。
TK-FCM006BK(ELECOM)
コンパクトでありながら、キー数も多くキーボードショートカットも多彩。
Fnキーを押しながらF1~F10キーを押すことでマルチメディアキーが使えます。例えば音量の上げ下げ、音楽プレイヤーの起動や次の曲・前の曲の再生、メール、ホーム、検索など。
打鍵感もタイプライターの如く「カシャカシャ」といい音を出してくれ、いかにも「タイプしてる!」という感じです。
しいて言えばキーピッチが狭いくらい。持ち歩くことを考えれば、この大きさでここまで多機能なら文句は無いかと思います。
接続方法はUSBホストケーブルで繋げば自動的に認識してくれます。
マウスも同時に使いたい場合はUSBハブの方が良いでしょう。ELECOMのU2HS-MB02-4SBKはオススメです。
microUSBケーブルに変換アダプタが付いているのでタブレットだけでなくPCにも使えますし、セルフ・バスパワー両対応なのでついでにスマホの充電やUSBメモリの読み込みもできちゃいます。
ELECOM USBハブ USB2.0対応 スマートフォン・タブレット用 microUSBケーブル+変換アダプタ付 セルフ・バスパワー両対応 4ポート ブラック U2HS-MB02-4SBK | ||||
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ELECOM キーボード USB&PS/2接続 メンブレン式 日本語82キー ブラック プレステ3対応 TK-FCM006BK | ||||
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ポケモンタイピングDS付属キーボード
ゲーム用と侮ってはいけません。むしろゲーム用だからこそ必要最低限のキー数、子供でも打ちやすいキーピッチの広さ、タフネスさを兼ね備えています。
打鍵感は上述のELECOMとは違い、ゲームパッドのボタンを押した感覚に似ています。
キーピッチが広いので単にテキストを打つだけならコチラの方が打ちやすいです。bluetooth接続なので配線の必要もなくスッキリ。
単3形乾電池2本入れても重量約300g、持続時間は約1,500時間(公式サイトより)。外出先でちょっと使うくらいならこちらの方が良いかもです。
接続方法はAndroid側でbluetoothを通知メニューか設定画面でON、 ポケモンキーボードのFnキーを押しながら電源スイッチをON、画面に表示される4桁の数字をポケモンキーボード側で入力するとペアリング完了となります。
バトル&ゲット ポケモンタイピングDS (シロ) | ||||
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バトル&ゲット ポケモンタイピングDS (クロ) | ||||
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日本語キーボード対応文字入力アプリ
Androidは標準で、接続されたキーボードを英語キーボードとして認識してしまいます。これを日本語キーボードとして認識させてあげなければいけません。
Android 4.1 以降では、User-installable keymaps という機能があるため、root不要でキーマップを変更できるようです。
参考サイト:Android 4.1で日本語物理キーボードを使う|y-log.net
こちらでAPKファイルを配布されています。
もしくは、日本語106/109キーボードレイアウトを使うことになるでしょう。
※いずれも未検証。
今回使用しているSony Tablet Sは最新アップデートでもAndroid 4.0.3(release5a)なので上述の方法は使えませんが、文字入力アプリが対応していれば日本語の配列で認識してくれます。現在のところ、以下のアプリは対応しているようです。
オススメはGoogle 日本語入力でしょうか。変換機能が優秀なのと、物理キーボード接続時にソフトウェアキーボードが隠れるところ、あと細かい点ですが日本語入力時でも半角スペースが使えるところが個人的に気に入っています。
キーボードショートカットのカスタマイズ
ここまででroot不要でも一通り使えるようになりましたが、せっかく物理キーボードを使っているのでショートカットの設定でさらに利便性を高めていきます。
もちろん「Alt+Tab(タスク切り替え)」や文字入力時の「Ctrl+A(全文コピー)」「Ctrl+C(選択範囲コピー)」「Ctrl+V(ペースト)」などWindowsで使えるショートカットはそのまま使えるモノもあります。
それ以外のものは、キーレイアウト&キーキャラクタマップファイルの作成(要root)とショートカット作成に便利なアプリをインストールすることにより実装していきます。
キーレイアウト&キーキャラクタマップファイルの作成(要root)
両キーボードとも「ホームボタン(Windowsキー)」が反応しません。他のキーと組み合わせることでショートカットキーとして機能することもありますが。
後述するショートカットキー作成のために、このキーをAndroidの「ホーム」に割り当てます。
必要な(もしくはあると便利な)アプリは以下になります。
- ターミナルエミュレーター(Android Terminal Emulatorなど)
- キーの scancode を調べるアプリ(KeyEvent Displayなど)
- システムファイルを読み書き可でリマウントできるファイラー(Root Explorerなど)
手順としては、
- キーボード各キーの scancode を確認
- 接続しているキーボードの Vendor ID & Product ID を確認
- 接続したキーボードに対応したキーレイアウト&キャラクターマップファイルの作成
となります。詳細は参考サイトを確認いただくとして、ここでは概要だけ。
scancode の確認は KeyEvent Display を起動し、キーを押せば確認できます。後述のキーレイアウト&キャラクターマップファイルが正常に機能しているかどうかもLogcatにチェックを入れキーボードを接続することで確認できます。
Vendor ID & Product ID の確認はターミナルエミュレーターを起動し、
cat /proc/bus/input/devices
このコマンドで確認できます。ELECOMでは、
I: Bus=0003 Vendor=0566 Product=3029 Version=0111 N: Name="HID 0566:3029" P: Phys=usb-tegra-ehci.0-1.2/input1 S: Sysfs=/devices/platform/tegra-ehci.0/usb2/2-1/2-1.2/2-1.2:1.1/input/input12 U: Uniq= H: Handlers=event10 B: PROP=0 B: EV=1f B: KEY=837fff 2c3027 bf004444 0 0 1 c04 b27c000 267bfa d941dfed 9e0000 0 0 0 B: REL=40 B: ABS=1 0 B: MSC=10
と出力されたのでVendor IDが0566、Product IDが3029となります。ポケモンキーボードでは、
I: Bus=0005 Vendor=057e Product=1001 Version=a614 N: Name="Nintendo Wireless Keyboard" P: Phys=F0:BF:97:DF:7C:B7 S: Sysfs=/devices/platform/tegra_uart.2/tty/ttyHS2/hci0/hci0:37/input13 U: Uniq=E0:0C:7F:82:0C:31 H: Handlers=sysrq event11 B: PROP=0 B: EV=12001b B: KEY=10000 7 ff9f207a c14057ff febeffdf ffefffff ffffffff fffffffe B: ABS=f00 0 B: MSC=10 B: LED=1f
と出力されたのでVendor IDが057e、Product IDが1001となります。
コレを元に/system/usr/keylayout/以下に、Vendor_<vendorID>_Product_<productID>.klを作成します。Generic.klをコピーして編集・作成します。
両キーボードとも「ホームボタン(Windowsキー)」のscancodeは125なので、.klファイルの該当部分を次のように変更します。
key 125 HOME
次に/system/usr/keychars/以下に、Vendor_<vendorID>_Product_<productID>.kcmファイルを作成します。Generic.kcmをコピーして作成。このファイルがない場合は自動的にGeneric.kcmを参照するようなので、特にカスタマイズが必要でなければ無くても大丈夫かもしれません。
参考サイトを探しても見つからなかったのですが、gpio-keys.klも編集の必要がありそうです。
key 125 HOME WAKE_DROPPED
これを追記しました。
ポケモンキーボードに関しては該当ファイルを配布されている方もいらっしゃいます。
参考サイト:Naoログ : [Android][ICONIA] ポケモンキーボード(NTR-034)のkey remap(要root)
そのまま流用しても大丈夫そうです。
キーボードショートカットの作成
上記で設定した「ホーム」ボタンを利用してショートカットを作成します。
使用するアプリ
・Nova Launcher
ちょっと古い記事になりますが、こちらで詳しい使い方を紹介されています。
参考サイト:Nova Launcher :Android4.0専用ホームアプリ | Androbiz | Android(アンドロイド)アプリのレビューサイト
普通にホームアプリとしても軽量・シンプルで良いのですが、このホーム独自のショートカット機能として「Novaアクション」というものがあり、これが重宝します。
・Home Commander
参考サイト:Home Commander:ホームキーの押す回数ごとに指定したアプリやショートカットを割り当て、起動できるアプリ。 – Android(アンドロイド)おすすめアプリ・カスタムニュース|AndroidLover.Net
・Elixir 2
参考サイト:『Elixir 2』~ウィジェットや通知領域からトグルやショートカットを簡単に起動!すべてを収納できる便利アプリ~ | andronavi スマホアプリが見つかる!
以上3つのアプリを使用します。
ホーム画面
これが現在のホーム画面です。「検索」以外何もありません。敢えてこのようにしました。理由はホーム画面にアプリやウィジェットを置けば置くほど重くなるからです。
また、スマホでは「予定」や「Todoリスト」、「週間天気予報」や「連絡先」などのウィジェットやショートカットを設置しているので、わざわざタブレットで確認することもないからです。
アプリの起動は全てショートカットから設定するので不便はありません。
iPhoneやiPadのような使い方ですね。持っていませんが・・・
Home Commander + Nova Launcher で「アプリ一覧」と「通知」を設定
上記参考サイトに使い方は紹介されていますが、Nova Launcher のショートカット設定方法が分かりにくいので補足しておきます。
まずデフォルトのホームをHome Commanderに設定しておきます。
Home Commander の起動画面です。
ホームボタンを押す回数毎にアプリやショートカットを設定します。
「一回押し」「二回押し」などを選択した時の画面です。
「Nova Launcher」はこのホームアプリです。これは「三回押し」に設定しました。
「一回押し」でアプリ一覧を出したいので「ショートカット一覧を表示」を選択します。
この画面になります。「アプリドロワー」を選択します。
これで「ホーム」ボタン一回押しでアプリ一覧が表示されます。
同様に「二回押し」に「通知バーを展開」を設定します。通知バーが展開された状態で同じ操作をすれば通知バーは閉じます。
Elixir 2 でよく使うアプリや設定を通知バーに配置
Elixir 2 を起動 → statusbar から通知バーにアプリやショートカット、端末設定(Wifiトグルなど)などが配置できます。
2列作るとこのようになります。
これで「アプリ一覧」では探しにくいアプリもすぐに呼び出せるようになりました。
あとがき
なにぶん2年前のAndroidタブレットなのでできるだけアプリを厳選し、メモリに負担をかけないようにカスタマイズしたつもり。
持ち歩くことを考慮すると「タブレット+ポケモンキーボード」のみの方がスマートな気がする。2つ合わせても1kg以下に抑えられますし。
本当は「Ctrl+◯」なんかでアプリや設定を起動できれば良かったんだけど上手くいかなかった。でもroot化しているからあまり弄り過ぎるのも怖いし、ここまででも十分かと思う。
「手持ちの資産で最新機器にどこまで対抗できるか?」ってところがカスタマイズの醍醐味だろう。
さて、これであとどれくらい耐えられるだろうか?( ̄▽ ̄;