書評 : ゼロ ――― なにもない自分に小さなイチを足していく(著:堀江 貴文)

公開日:  最終更新日:2014/02/10

著者の作品を読むのはこれで2冊目。
1冊目の「金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?」を読み終えた直後、迷うことなく購入。
過去作品の中には「稼ぎ方」を中心とした本が多いのだけど、本作のような著者自身の考え方、生き方をそのまま表現した本の方が向いているのではないだろうか。少なくとも僕にはこちらの方が面白い。
それもこれも「確固たる自分」があるからこそ書けるわけだけれど。

この本で著者が伝えたいことは「働くこと」の意味であり、そこから生まれる「希望」である。
全てはタイトルに凝縮されているのだけれど、読み終えた後あらためてこのタイトルの深みを知る。
本作の前半部分では、著者の生い立ちから現在までの半生が描かれている。
その時々でどんな経験をし、そこから何を考え、どんな結論を得たのか。
著者のことをよく知らなければ突飛な発言のように思えることも、それぞれのエピソードを読むとその結論に至るまでの思考回路が分かるので説得力がある。
同じ経験をしてもそこから「何を学ぶか」は人それぞれだけれど、物事の原理原則まで掘り下げて考えているところは素晴らしいと思う。

後半部分では現在とこれからの未来、自身も含めこれから時代を背負っていく人たちへ向けてのエールとなる。
前半部分があってこそ、一つ一つの言葉が軽々しいものではなく、説得力があるのだと思う。

一つエピソードを紹介すると「女性を前にするとキョドってしまう」という節がある。
元々他者とのコミュニケーションが不器用であると自身も言っているけど、だからといって営業や交渉事であたふたすることはないという。
ここから導き出される答え、「結局は ” 自信 ” の問題であり、自信を形成するための ” 経験 ” が圧倒的に不足していただけ」という結論に至る。
そしてこれは恋愛に限らず、人生においてもそうであり、なかなか行動に移せないのは「人生にキョドっているだけ」なのだと言う。
確かにそう思う。

このようなエピソードがいくつもあり過ぎて、とてもじゃないがここでは書ききれない。書けばこの本そのものになってしまう。
僕がKindle本を読むときは印象に残ったページにブックマークをするのだけれど、数ページに一度はブックマークしていたのでどこが面白かったのか限定できない。作品全体として面白かった。

あれやこれやここで書かずとも、まずは読んでみて欲しいと思う。
きっと今の自分や将来に希望が持てるはずだから。

[milliard]
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