書評: 秒速で1億円稼ぐ条件(著:与沢 翼)
とある書籍のAmazonカスタマーレビューがコチラ。
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星4つ:4人
星3つ:7人
星2つ:4人
星1つ:22人 ← えぇ!?
それがこの書籍。
与沢翼、この名前に対する世間の反応は二極化する。信者かアンチか。
アンチの方が圧倒的に多いように見受けられる。
理由は後述するとして、読んでみた感想。
「え? わりと面白いよ?」
ちなみに僕はネットビジネスをやっていない。
この本を読んだからといって、それをやろうとも思わない。これは嗜好の問題である。
ただ、著者がいかに頭の回転が早く、知識も豊富で、目的のためなら何かを失うことなどためらわずに遂行できる行動力を持っていることはよく分かった。
本の構成は全7章からなる。
1・2章は著者が提唱するフリーエージェントのマインド・心構えなど。
この辺は「金持ち父さん」に代表される所謂「金持ち本」と一緒。
稼ぐ人と稼げない人の考え方の違いなど。
この手の本が初見なら感銘を受けるかもしれない。
3章以降は、著者が自分の会社が倒産してから現在までの経緯、ノウハウなど。
著者の経験談はともかく、ネットビジネス情報については信憑性は高いだろう。
なにせ自分の塾で弟子たちにノウハウを教えてるくらいであるから、妙なことは書けないはずだ。
著者が考えた成功手段はアフィリエイトである。
この分野に関して言えば、ここを読むだけで初心者でもかなりの知識を得ることができる。
巻末には著者が経営する「フリーエージェントスタイル」に関するQ&Aがあるが、これはただの宣伝。
で、実際何をやっていて、どうしてアンチが多いのかを「TVCM」で例えてみた(↓)
・ ・ ・ ・ ・
テレビで全く興味を持てないCMが、毎日毎日繰り返し流れていたらどう思うだろう。どのチャンネルもである。
きっと煩わしいと思うだろう。そのCMの広告主(仮にY社とする)に対して嫌悪感を抱くかもしれない。
しかも「簡単にお金が稼げますよ」というような胡散臭い内容ならなおさらである。
ここで一般消費者の反感を買う。
※さらに言えばその商品は自社の商品でもない。
ではなぜどのテレビ局もY社のCMばかり流すのか?
Y社の方が多くの広告費を払ってくれるからである。
仮に一般的な広告枠の金額が1万円だとして、Y社が2万円払ってくれるとすれば、Y社のCMを流すのは当然である。
ここでCMを流したい他社からの反感を買う。
ここでY社も効率を考えて、視聴率の高い人気のテレビ局に多くの広告費を投入しようと考える。
人気の低いテレビ局ではCMを控えるようになる。
また、自前でテレビ局を作り他のテレビ局より視聴率を稼ごうとする。
ここでテレビ局からの反感を買う。
このようにしてアンチが増えていくのである。
しかしY社の社員(=信者)は給料が増えていくので、これを問題としない。
Y社も効率化のために、できるだけ購入が見込める客に宣伝をしようとする。
だがときには社員の勝手な行動で、見込み客でない人間にまで宣伝してしまうこともあるのだ。
アフィリエイトの話に戻すと、テレビ局がアフィリエイターに当たる。
アフィリエイターは自分で商品を持たなくても、宣伝をすることで稼ぐことができる。
メーカーとアフィリエイターを結ぶのがASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)である。
上の例では、Y社はアフィリエイターであり、ASPでもある。
自社商品も持っているが、他社商品の宣伝も行うことができる。
宣伝力の弱いメーカーが宣伝力の強いY社に依頼するのも当然の流れである。
※得てしてその商品は粗悪品であることが多い。
そもそもなぜY社は多額の広告費を払うことができたのか?
広告費を払う前に、それを上回る金額の売上金が入ってくるからである。
これも、これまでの業界の常識を破ったから可能になったのである。(そしてここでもまた反感を買う。)
CMに2万円かかったとしても、2万1円でも売上が立てば良いのである。
※売上と利益は異なるものであるが、情報商材などは一回の元手でいくらでも量産できるのでほぼ同じになる。
商品の価格が1,000円として、20人に売れればペイされる。
確率的に100人に1人が購入するなら単純に2,000人に広告を届ければ良い。
2,000人の視聴者の内、興味を示すのが100人、購入に至るのが20人だとすれば、残りの1,900人には迷惑な話である。
さて、実際の販売チャンネルはテレビだけでは無い。
新聞、折込チラシ、立て看板など様々である。
ネットビジネスにおいてはこの販売チャンネルが、メルマガ・ブログ・Facebook・Twitter・Youtubeなど(他多数)に当たる。
上記のテレビの例と同じようなことが起きれば、当然反感を持つ人もまた増えるのである。
だがそんなことは「秒速で1億円稼ぐ」目的の前では”どうでもよいこと”である。
また、実際の商品がどんなに下らない物だとしても、それも”どうでもよいこと”なのだ。
圧倒的な集客力・販売力さえあれば、どんな商品でも売れるのだから。