書評:トップ営業マンの「話がとぎれたときの質問法」(著:菊原智明)

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今回は会話上達本の紹介です。

ビジネス誌なんかでもよく取り上げられる定番ネタですね。「質問」が「会話のきっかけ」として重要であることは言わずもがなです。ビジネスでもプライベートでも、会話が無くては良好な人間関係は築けません。本書もそんな「会話上達本」の一冊です。

営業マンなんて特に売上に直結するので死活問題ですし、お客さん相手でなくとも上司や同僚、家族や友人間でのコミュケーションに悩む方も多いでしょう。「会話」を題材にしたビジネス書籍はたくさんあるので、一冊くらい読んだことある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
Amazon.co.jp: 会話 話し方 – ビジネス・経済: 本

著者の菊原智明さん(Twitter @kikuhara)は、元トヨタホームの営業マンで現在は独立し、営業サポート・コンサルティング株式会社代表取締役、経営者や営業マン向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行っている方です。

本書でも多く取り上げられていますが、主にトヨタホーム営業マン時代の失敗談は非常に共感が持てるところです。「Amazon.co.jp: 菊原 智明:作品一覧、著者略歴」によれば「自分に合う営業方法が見つからず7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代」を過ごされたそうです。その中で一つ一つの失敗経験から学び営業手法を改善。「お客様へのアプローチを訪問から「営業レター」に変えることをきっかけに4年連続トップの営業マン」になられたのだそう。

7年も営業成績が上がらなければ、僕ならとっくに諦めていますね・・・ 見切りをつけて別の道に進むのも一つの手ですが。

このような会話本でよく紹介されるのが「会話のネタ」であったり「目線・姿勢・言葉遣い」であったりテクニカルなものが多く具体例(特に失敗例)に乏しかったりするのですが、本書は逆に具体例しかありません。著者の「失敗経験から学んだこと」を、

こんな失敗をした → 何が悪かったのか? → こう改善した

の流れで丁寧に解説されています。このように問題発生から改善までの流れが分かると、別の場面でも「どう改善したら良いか?」が分かるので応用が効きますね。正解だけを読むよりよほど実践的だと思います。

改めて気付かされたのは「その質問が逆に自分を追い込むことになる」ことって多々あるのだなということ。「会話を続ける」ことのみに意識が向いてしまうと、ついどうでもよい質問をしがちですが、質問をよく考えないと自分にとって不利に働くこともあります。これが営業であればわざわざライバル企業に塩を送ることになります。お客様のためにやっているならまだいいですが、ここでは単なるミスリードです。

第1章から第3章までが営業マン向け、第4章はプライベートでも活かせる質問例という構成ですが、最後第5章にある自分に向けた「ピンチをチャンスに変える質問」も良いですね。人間はつい悪い方悪い方へと考えがちです。普段からよほどポジティブ思考の人ならともかく、自分に対して逆効果の質問をしてしまっては物事うまくいくはずがありません。「良い方向に導く質問」と「悪い方向に導く質問」があるならば、自分に対しても「良い方向に導く質問」をした方が健全です。

本書は「質問」をビジネススキルとして身に付けるためにはもちろん、プライベートでも活かしたり、自分への動機付けとして利用できることに気づかせてくれます。「会話力」に悩んでいる方、あるいは「もっと上達させたい」という方にも、具体例を上げて解説されているのでオススメです♪

[milliard]
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