書評:「悩み」は「お金」に変わる(著:小野 たつなり)

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Kindle冬のセールにて480円で購入。通常Kindle版なら960円だから半額でゲット!またセールやんないかな♪

Amazonの商品紹介文から引用すると、

内容紹介
99%の人が知っているが1%の人しか実行していない無限に稼げる発想転換法。悩みを解決し同時にお金を生み出した実例をもとに誰にでも再現性のある方法を紹介。具体的な仕組みや技術、お金に変えた実例が満載!

内容(「BOOK」データベースより)
99%の人が知っているが1%の人しか実行していない無限に稼げる発想転換法。1万人の悩みを解決し5年で10億円稼いだ著者が明かすここだけの話。

ってことなんだけど、これおかしくないか?

5年で10億稼いだ著者がその「誰にでも再現性がある方法(しかも無限に稼げる!?)」で1万人の悩みを解決できたんなら、現在日本には億万長者が溢れているはずだよね? 僕が知らないだけ?
あと、本を出版している時点で「ここだけの話」じゃないよね?
そもそもそんなに稼げるのならなぜセミナーやったり、出版したりするの? 稼いでいるにしても、その方法による収入源だけじゃ不安だからだよね?

などなど、ツッコミどころは満載ではあるけれど、「悩み」が「お金」になるというのは事実である。
世の中の便利な製品・サービスというものは、今ある不便を解決するために生まれたものであり、実際売れているものはそれだけ消費者が望んでいるものだからである。

さて、それを分かった上で敢えて商売のヒントを得るために買ったわけだが・・・

読み始めてその文体や文章構成を見ると、まるで長い長いセールスレターを読んでいるようである。
最終的には著者への連絡先に繋がるわけだが、それは最後に一度だけ掲載されているだけで、本文中で宣伝しているわけではない。そこは好感が持てるトコロ。

基本的には「会社に依存せずとも個人で稼ぐことはできる」ということや、「お金そのものや稼ぐことに対する考え方」などマインド的な内容がメインとなる。実例はあくまでも実例としてカンタンに紹介しているだけだから詳細までは分からない。稼ぐ手段の1つとして参考にするくらいでいいだろう。

普段この手の「誰でも稼げる系ネットビジネス(と、勝手に呼んでいる)」の”先生”がやってるセミナーやメルマガに触れている人であれば、恐らく誰でも知っている内容であろう。紹介の入り口がメルマガから書籍になっただけである。

多くのセールスレターの御他聞に漏れず、実例として「利用者の声」が多数掲載されているのだが、これを単に「著者が如何に素晴らしいかを計る指標」として見てしまうのはNG。その発想の時点ですでに「自分では難しそうだから誰か(ここでは著者)に頼ろう」と、無責任で他人任せになってしまう。自分が、自分こそが稼がなければいけないのに・・・だ。

多分こういったネットビジネス系の塾やセミナーに通っている人でも、稼げる人と稼げない人に分かれてしまうのはこの心の持ちように依るものなのだろう。

ただ手法を学ぶだけならわざわざ高い費用を出して塾やセミナーに通わなくても、この書籍だけで十分である。
実際高額のセミナーが半年後くらいにはYouTubeで無料で見れたりするものだ。そしてこの手法は著者が紹介している通り、多くのセミナー講師が自信のブランディングのために実践していることである。

出版も同様。まず本自体が収益源の1つ。そして自身のブランド力を高め、利益率の高いセミナーへ誘導する。セミナーがまたブランド力を高める。知名度が上がれば他者の情報商材やセミナーが紹介しやすくなる。紹介料がまた収益源の1つとなる。そんな繰り返し。

利益率の高いセミナーや情報商材、紹介料にどんどんシフトしていくわけだが、皆が皆できるわけではない。先に抜きんでた者が勝つ。それにはそれ相当の”努力”が必要になる。その”努力”の方向は一般的な価値観とは異なるかもしれないが。

となると、当初「楽して稼ぎたい」という考えで参入してきた者は「楽して稼げない」ということになる。結局はネットビジネスであれ稼ぐために必死に”努力”している者が、”努力”しない(あるいはできない)者から搾取している構造なのだ。だからこそ高額でも塾やセミナーに客が来る。

話が逸れてしまったが、そういった背景を抜きにして考えてみると、本書はネットビジネスの入門書的な使い方をするのが良いと思う。こういった”手法”を知らない人にとっては、ひょっとすると感動するレベルかもしれない。

リアルビジネスに活用するなら「悩みをお金に変える」という”発想”である。実例を参考に各々の環境に合わせてアレンジすれば良いだろう。

この本に限ったことではないが、肝心なのは「この本さえ読めばカンタンに稼げるようになる」という考えで読んではいけないということだ。塾やセミナーも同様。

ネットビジネスについて自分の知識が足りないのであれば、塾やセミナー、情報商材などに”高額な費用を払う前に”読んでみることをオススメする。知識の補充など1,000円程度の出費で十分だ。読む際にはもちろん前述の”背景”は考慮した上で。

ちなみにネットビジネスについては、以前にも書評を書いたコチラもオススメです。

[milliard]
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