書評: 5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die? (著:佐々木 紀彦)

公開日:  最終更新日:2014/02/10

著者は「東洋経済オンライン」の編集長。
就任後、サイトのリニューアルから4ヶ月で5,301万PVを記録し、ビジネス誌系サイトNo.1に導いた手腕の持ち主。
ネットメディアを運営するプレーヤーとして、業界を分析するジャーナリストとしての両方の視点からメディア界のこれからを描いている。

変化に対応できない既存メディアに対する警鐘とも捉えられると思う。
マネタイズ、つまり「稼ぐこと」を真剣に考えていかなければ既存のメディアは消滅してしまうだろうと危惧する。
先に起きた米国のメディア界の変化を事例に、今後新聞や雑誌、それに関わる編集長やジャーナリスト達がどう変化をしていくべきかを提唱している。
 

 
この本は業界向けに書かれたものだけれど、昨今のような ” 個人がメディアになる時代 ” においては業界人でなくとも無関係とは言えないだろう。
紙媒体である新聞や雑誌のライバルは他誌だけではない。
専門誌でなければ、その購入目的はほぼ ” 暇つぶし ” である。この分野には携帯・スマホでのネットやゲームやSNS、NintendoDSやPSPなどの携帯ゲーム機などライバルは多岐に渡る。もちろん専門誌と言えども、情報だけならネットで手に入れることなど誰でもできる。ますます差別化していかなければならないだろう。

個人としてブログやSNSで記事を投稿することは、自分がメディアとして存在しているということだ。となればやはり記事の内容や、自分自身に魅力がなければならないと思う。

考えてみればリアルな人付き合いでも同じことが言えるのではないだろうか。

何もわざわざ ” つまらない人間 ” と付き合いたいとは誰も思わないだろう。
誰とも関係を持たず生涯孤独で良いという人などまずいないだろうし、そもそも家族や友人、地域や国など何かしらの ” 社会 ” に属しているのが普通だ。
やはり外見であれ内面であれ磨いていく努力は必要だと思う。
” 他者から認められたい ” という欲求は誰でも持っているだろう。 マズローが言うところの ” 承認(尊重)の欲求 ” というものだ。
となると自分を商品として客観的に見る目が必要だ。ますますマーケティングを勉強しなければならない。ちょっと大袈裟か?
 

 
 
話がメディア業界のことから外れてしまったけれど、他の商売であれ個人であれ参考になることは多いはず。
共通して言えることは ” 変化 ” は常に起こっているということ。
” 昔の常識 ” と ” 今の常識 ” は必ずしも一致するわけではない。むしろ通じないのが普通。
メディア業界を通じて、色々と考えさせらた一冊です。

[milliard]
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