書評:「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本(著:柏木吉基)

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「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本(著:柏木吉基)

所謂「統計本」の入門書的位置付け。この手の本はわりと好きで、以前にも書評書いてます。

書評:数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。(著:深沢真太郎)
書評:会社を変える分析の力 (著:河本 薫)

実務例を挙げて統計・データ解析について解説するスタイルは「数学女子智香」と同じ。イメージしやすいので分かりやすい。「智香」の舞台は中堅アパレル企業だったけど、本書は海外進出を検討中の総合商社が舞台。「智香」は物語を中心に各項の解説していたけど、本書の場合は物語部分はほとんど無い。解説のためのきっかけ程度。なので単に読むだけなら「智香」の方が読みやすいかな。しかしその分筆者の解説にページを多く使っているので、物語形式が冗長に感じる方には向いているかもしれません。

データ解析と言ってもデータありきで始めるのか、それともある命題があって、そのためにデータ作成・分析を始めるのかの違いがあります。本書の場合は後者がメイン。新規参入を検討している国でどれほどの見込みがあるか、会社の上層部が納得するプレゼンをしなければならないという場面において、仮説を立てるところからプレゼンまでの一連の流れで解説されています。データのためのデータ、収集のための収集、分析のための分析、ではないということですね。まずは目的ありきです。

その目的のためにいくつかの仮説を立てる、その仮説を検証するためにどのようなデータを集めたら良いか、そのデータを使ってどのような分析手法を使えば良いか、分析結果から何が分かるか、その結果をどう伝えれば効果的に伝わるか、これが一連の流れとなります。分析手法そのものに焦点を当てるのではなく、「そもそも何のための分析か?」という目的意識に沿っているトコロが良いですね。

著者が言うように「一般的なビジネスの現場でビジネスパーソンが日常的に活用している手法は限られている」ので、専門家でもなければ難しい分析手法まで覚える必要もありません。「まずは使いやすいものに絞り、それらを効果的に使う方法や考え方を身につけるほうが、ずっと『お得』で『かしこい』」という考え方は確かにそう思います。実際本書で紹介されている分析手法そのものは「平均・中央値」「標準偏差」「相関分析」「単回帰分析」しかありません。これらのデータのExcelでの出し方についても解説されていますので、すぐに使うことができます。「『数字に強いビジネスパーソン』になるための第一歩」としては十分ですし、逆に必要以上の手法を学ぼうとしても挫折してしまうような気もします。

数学嫌いでもビジネスであれば、根拠を示さなければならない場面は必ず出てくると思います。「何となく」とか「勘」では相手を納得させることはできません。数学的思考と分析手法、そして効果的な伝え方を学ぶ入門書としてお勧めします。

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柏木吉基 日本実業出版社 2014-04-04
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